2015/2016年度経済見通し(2015年6月)(2次QE反映後)~景気は持ち直しが続くも、そのペースは緩やかにとどまる~
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2015/06/09


○8日に発表された2015年1~3月期の実質GDP成長率(2次速報)は前期比+1.0%(年率+3.9%)と1次速報の同+0.6%(年率換算+2.4%)から、比較的大きめに上方修正された。主な修正要因は、法人企業統計調査の結果を受けて設備投資と在庫投資が上方修正されたことによるものである。設備投資は前期比+2.7%と3四半期連続で増加しており、企業業績の改善を背景に回復基調が強まってきた可能性がある。一方、在庫投資は、意図せざる在庫が積み上がっているとみられ、今回の上方修正によって今後の在庫調整圧力がさらに強まる懸念が高まった。


2015年度の景気は、4~6月期の実質GDP成長率が前期比横ばいにとどまるなど、夏場にかけて持ち直しテンポが一時的に鈍る懸念がある。ただし、腰折れすることはなく、基本的には緩やかな持ち直しが続くであろう。年度の実質GDP成長率は前年比+1.4%とプラス成長に転じると予想する。回復力は力強さに欠けるものの、消費税率引き上げの影響が薄らぐこともあり、ゲタ(+0.7%)を除いた年度中の成長率では+0.7%に拡大する。景気が持ち直すのは、雇用需給の引き締まりを背景とした家計の所得環境の改善や、企業業績の改善によって、国内需要の回復の動きが維持されるためである。また、原油価格は底打ち後も前年度の水準を下回って推移するため、コスト減少を通じて、家計の実質購買力を高め、企業業績の押し上げに寄与する見込みである。もっとも、企業が慎重な姿勢を堅持するため、賃金上昇による需要の増加が企業業績を高め、再び賃金の上昇につながっていくという経済の好循環の状態にまでは至らないであろう。


2016年度も景気の持ち直しが続き、実質GDP成長率は前年比+1.6%と、伸び率もやや拡大する見込みである。前半は緩やかな持ち直しの動きが続くが、後半から2017年4月の消費税率の引き上げをにらんだ動きが家計部門を中心に現れると予想され、回復ペースが増してくる見込みである。


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