2016/2017年度短期経済見通し(2016年12月)(2次QE反映後)~下振れリスクが残る中、景気は緩やかに持ち直していく~
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2016/12/09
調査部


○12月8日に発表された2016年7~9月期の実質GDP成長率(2次速報)は前期比+0.3%(年率換算+1.3%)に下方修正されたが、3四半期連続でのプラスは維持されており、景気が横ばい圏内の動きから抜け出しつつあることが改めて示された。10月以降の景気についても底堅さが維持されると見込まれ、横ばい圏での動きから脱し、緩やかな回復基調に転じよう。今回の改定では、基準年の変更に加え(2005年→2011年)、国民経済計算の枠組みも1993SNAから2008SNAに変更された。この結果、GDPの水準が切り上がるとともに、消費税率引き上げ後の景気の持ち直しの勢いも、従来の数字でみるよりも強かったことが示された。


○足元では米景気回復への期待感が高まった状態が維持され、いわゆるトランプ相場が続いている。円安、株高、資源価格の持ち直しが続いていることは日本の輸出企業の業績改善や国内物価に影響を及ぼす。しかし、現時点ではプラス効果とマイナス効果の両面があり、景気の押し上げ効果は大きくない。また、期待感が剥落し、金融市場が混乱することで、世界経済が悪化するリスクが依然として残っている。


2016年度は、景気は横ばい圏を脱し、年度末にかけて緩やかに持ち直していき、年度の実質GDP成長率は前年比+1.3%になると予想される。個人消費や設備投資が横ばいにとどまるものの、海外経済の回復を背景に輸出が緩やかに持ち直していくほか、年度末にかけては2016年度第2次補正予算の効果が現れ始める。ただし、金融市場で混乱が発生して世界経済の悪化懸念が高まり、景気が下振れするリスクは残る。


2017年度は、緩やかな景気回復の動きが続き、実質GDP成長率は前年比+1.0%と3年連続でプラス成長を達成する見込みである。雇用・所得情勢の改善が続く一方で物価が上昇基調に転じることが個人消費の伸びを抑制するが、世界経済の回復を背景に輸出が増加基調を維持することに加え、企業業績の改善を受けて設備投資が緩やかな増加基調に転じることが景気を下支えする。また、2016年度第2次補正予算による効果が、上期を中心に現れることも景気を押し上げる。


2018年度は、東京オリンピックを控えた需要の盛り上がりがピークに達するため、公共投資や首都圏での再開発案件の増加が景気の押し上げ要因となる。しかし、2016年度第2次補正予算の効果の剥落によって公共投資がマイナスとなること、原油価格など資源価格の持ち直しが続くこともあって国内物価の上昇が続き、実質個人消費の伸びを抑制すること、さらに米国での金融引き締め継続を受けて海外経済の伸びが鈍り輸出の増加ペースが緩やかとなること、などいくつかのマイナス要因が重なる。このため、実質GDP成長率は前年比+0.9%に鈍化する見込みである。


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