2017/2018年度短期経済見通し(2017年8月)~テンポは鈍るも、景気の回復は続く~
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2017/08/15
調査部


○8月14日に発表された2017年4~6月期の実質GDP成長率は、前期比+1.0%(年率換算+4.0%)と6四半期連続でのプラス成長となった。景気の回復が続いており、足元ではその動きが強まってきた。外需寄与度が-0.3%とマイナスに転じたのに対し、内需寄与度が+1.3%に高まり全体を押し上げた。


○2017年度は、景気の回復が続き、実質GDP成長率は前年比+1.7%と3年連続でプラス成長を達成する。景気のけん引役は個人消費と設備投資を中心とした内需であり、海外経済の回復が続く中でも輸出の伸びは緩やかにとどまるため、外需の寄与度は若干のマイナスになる見込みである。


○ただし、年度のゲタ(+0.6%)が大きいこと、4~6月期の成長率が高かったことで年度の伸び率は押し上げられており、四半期ごとの実質GDP成長率の前期比伸び率は年度末にかけて次第に鈍化していく。景気の回復力は力強さに欠けており、雇用情勢の改善と家計の所得増加を背景に個人消費が活発化し、それが企業業績を押し上げ、設備投資の増加や賃金の上昇につながるという経済の好循環が回り始めた訳ではない。


○景気の下振れリスクとしては、第一に、世界経済の成長率の鈍化が挙げられる。北朝鮮情勢の緊迫化などの地政学リスクや、米国の政治動向、中国の景気失速懸念など海外には不透明な材料が多く、問題が深刻化すれば金融市場の混乱を通じて世界経済の減速につながる。また、実質賃金の減少によって個人消費が低迷する懸念があるほか、人手不足の深刻化によって一部の業種では供給制約に直面するリスクが指摘される。


○2018年度も景気の回復は続くが、実質GDP成長率は前年比+1.0%に鈍るであろう。オリンピックを控えたインフラ建設などの需要の盛り上がりがピークに達し、首都圏での再開発案件の増加などが景気の押し上げ要因となる。しかし、追加の経済対策を見込んでいないため公共投資がマイナスに転じることに加え、実質賃金の低迷が続き、個人消費の伸びを抑制する。


○2019年度は、予定通り10月に消費税率が10%に引き上げられると想定しているが、引き上げ幅が2%と小幅であり、一部に軽減税率が適用されるため、駆け込み需要・反動減とも前回と比べて小規模にとどまる。また、翌年にオリンピックを控えていること、雇用情勢の改善が続いていることもあって、消費者マインドの悪化も一時的にとどまり、実質GDP成長率は前年比+0.9%とプラスを維持するであろう。


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