2018/2019年度短期経済見通し(2018年5月)~景気回復が続く・下振れリスクは海外要因~
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2018/05/17
調査部


○5月16日に発表された2018年1~3月期の実質GDP成長率は前期比-0.2%(年率換算-0.6%)と、9四半期ぶりに前期比マイナスとなった。外需寄与度はプラスに転じたが、公的部門が横ばいにとどまったうえ、個人消費、設備投資が小幅ながらも共に減少に転じ、住宅投資の減少が続いた。ただし、決して景気後退局面入りを示唆するものではなく、景気回復が維持される中での一時的な現象である。


○2018年度も景気回復は続き、実質GDP成長率は前年比+0.9%と4年連続でプラス成長を達成しよう。12月には戦後最長の景気拡大期(2002年2月~2008年2月までの73カ月)に並び、その後、記録を更新すると予想する。オリンピックを控えたインフラ建設などの需要の盛り上がりや、首都圏での再開発案件の増加などが景気の押し上げ要因となる。また、海外経済の回復の継続を受けて輸出の増加が続くほか、設備投資は企業業績拡大を背景に人手不足への対応のための投資や研究開発投資の増加が続こう。就業者の増加や、賃金の緩やかな上昇など雇用・所得情勢の改善が続く中で、個人消費も底堅さを維持する見込みである。


○景気の下振れリスクとしては、中東、北朝鮮情勢の緊迫化などの地政学リスク、欧米の政治的な混乱、トランプ政権の通商政策を巡る対立の激化、米国での金利上昇などによって、国際金融市場の混乱、原油価格の一段の上昇などが生じ、世界経済が減速することが挙げられる。また、こうした状況を受けて為替市場で急速な円高が進む懸念もある。さらに、雇用情勢の改善が続く中でも、実質賃金の減少によって個人消費が低迷する懸念があるほか、最近では人手不足の深刻化によって一部の業種で供給制約に直面しており、景気の拡大を阻害するリスクがある。


○2019年度は、予定通り10月に消費税率が10%に引き上げられると想定しているが、引き上げ幅が2%と小幅であり、一部に軽減税率が適用されること、住宅ローン減税制度の強化などの諸策が実施される可能性があることから、駆け込み需要・反動減とも前回と比べて小規模にとどまる。また、翌年にオリンピックを控えていること、雇用情勢の改善が続くこともあって、消費者マインドの悪化も一時的にとどまるうえ、公共投資を中心に経済対策が打ち出されると想定しており、実質GDP成長率は前年比+0.8%とプラスを維持するであろう。


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