2018/2019年度短期経済見通し(2018年11月)~下振れリスクが高まる中、景気の回復基調は維持される~
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2018/11/15
調査部


○2018年7~9月期の実質GDP成長率は前期比-0.3%(年率換算-1.2%)と2四半期ぶりに前期比マイナスとなった。好調であった前期の反動に加え、天候不順や自然災害の発生という一時的な下押し要因もあり、内外需ともにマイナスに寄与した。もっとも、あくまでも一時的な減少であり、景気回復の動きは維持されている。


○10~12月期には一時的な景気下押し要因が剥落するうえ、挽回生産や物流回復による押し上げ効果、自然災害からの復旧・復興需要などによって、実質GDP成長率は前期比プラスに転じるであろう。その後、輸出の持ち直しが遅れれば景気が踊り場に入るリスクはあるが、それでも腰折れには至らない。これは、企業の設備投資の増加が続き、労働需給のタイト化、名目賃金の増加などを反映して個人消費が底堅く推移すると期待されるためである。2018年度の実質GDP成長率は前年比+0.9%と4年連続でプラス成長を達成し、1月には戦後最長の景気拡大期(2002年2月~2008年2月までの73ヶ月)を抜いて、最長記録を更新すると予想する。


○景気の最大の下振れリスクは、通商政策を巡ってトランプ政権と各国との対立が激化し、世界経済が悪化することであり、中でも米中貿易摩擦の行方が重要である。その他、中東、北朝鮮情勢などの地政学リスク、欧米の政治的な混乱、米国の金利上昇による国際金融市場の動揺などで、世界経済が減速するリスクもある。これらのリスクが顕在化すれば、輸出の減少を内需ではカバーできず、景気は後退局面入りしよう。


○2019年度は、予定通り10月に消費税率が10%に引き上げられる見込みだが、引き上げ幅が2%と小幅であり、一部に軽減税率が適用されるため、駆け込み需要・反動減とも前回と比べて小規模にとどまる。翌年に東京オリンピック・パラリンピックを控えていること、雇用・所得情勢の改善が続くこともあって消費者マインドの悪化が一時的なものにとどまるうえ、経済対策や需要の平準化のための対策が打ち出されることから、実質GDP成長率は前年比+0.8%とプラスを維持しよう。米中貿易摩擦は、短期間で決着することは難しいが、当分の間、これ以上エスカレートすることはないと見込んでいる。このため世界経済の回復基調が維持され、輸出も緩やかに増加するだろう。


○2020年度は7~9月の東京オリンピック・パラリンピックに向けて個人消費、インバウンド需要が盛り上がることで一時的に景気は押し上げられるが、その反動やインフラ建設の需要の一巡、海外経済の減速などにより、その後は停滞するリスクがある。このため、実質GDP成長率は前年比+0.1%に低下しよう。


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