コモディティ・レポート(2010年7月)
全文紹介

2010/07/09


I.原油市況 ~ 買い戻し優勢、いったん下落も70ドル台を維持


原油相場(WTI、期近物)は、欧州危機による金融市場の動揺から5月20日に一時65ドル割れの安値をつけたが、その後は買い戻しの動きが優勢となり、6月下旬にいったん下落した局面でも70ドル台を維持して推移、足元にかけては70ドル台半ばに持ち直している。金融市場では米中の景気減速懸念など不透明要因が広がっているが、実体経済では世界的な景気回復が続き石油需要の回復もはっきりしている。当面の原油相場は、金融市場の動きに連動しながらも70ドル台のボックス圏で推移する見通しである。


II.非鉄金属市況 ~ 強弱材料が交錯し、不透明要因が残る


非鉄金属相場の動向を表すLME金属指数は、6月中旬以降、3,000ポイント前後で推移している。中国の不動産融資の引き締めの影響、米国の景気減速など新たに金属相場の押し下げ材料が出てきたが、一方でインド、ブラジル、オーストラリアなどの景気の底堅さ、人民元相場の弾力化、金属の輸出税還付の廃止など押し上げ材料もあった。世界景気は、当面、強弱の材料が交錯する状況が続き、金融規制や欧州情勢などの不透明要因も残ると考えられる。こうした状況下、金属相場は一進一退が続くと見込まれるが、不透明要因が後退するに伴って上昇する余地があろう。


III.トピック ~ 景気減速懸念と原油相場


今年上半期の石油需要動向をみると、地域別、用途別の回復テンポはまだら模様であった。そうした中、当初は回復が弱いと見込まれていた米国の石油需要が緩やかに持ち直したことや、強いと想定されていた中国の需要が大方の予想以上に強かったたことが、原油相場を押し上げたとみられる。今後も世界的な景気回復は続くものの、想定以上の強さがない限り相場の押し上げ要因にはなりにくい。一方、IMFが世界経済の成長率を上方修正するなど、景気が二番底に陥る可能性も小さいとみられ、相場の下値も限定的となろう。


全文紹介 前のページへもどる

ページの先頭へ

1234567890