コモディティ・レポート (2012年8月)
全文紹介

2012/09/20


I.コモディティ市況全般: 金融緩和などを材料に上昇


コモディティ市況は、6 月29 日のEU首脳会議の結果を受けて反発した後、8 月には上値が重くなっていたが、9 月に入って、欧米の金融政策や中国の公共投資計画を材料に大幅に上昇した。特に米国のQE3によって、コモディティ市況の上値余地は広がったと思われる。


II.エネルギー市況: 地政学リスク懸念を材料に高止まり続く


原油市況は、8 月後半以降はブレントが110 ドル台半ば、WTIが90 ドル台半ばで頭打ちとなっていたが、9 月中旬にはQE3 発表後にWTI が100 ドルをつけるなど再び上昇した。地政学リスク要因が市況の押し上げ材料視されやすいが、備蓄放出への警戒感など上値を抑える要因もあり、一進一退が見込まれる。


III.ベースメタル市況: 欧中米の政策を背景に上昇


銅市況は、7 月下旬以降、7,300~7,600 ドルを中心に推移したが、8 月下旬から上昇傾向となり、9 月中旬には一時8,400 ドル台まで急伸した。米国のQE3や中国の公共投資計画が市況の押し上げ要因になった。もっとも、金属需要の回復が実感できるのは、中国の輸出や消費が回復する来春頃になろう。


IV.貴金属市況: 金は 1,800 ドルに近づく


金市況は、6 月から8 月前半に1,600 ドルをはさんで推移した後、8 月後半以降は上昇傾向となり、9 月中旬には1,770 ドル超に達した。先行き、米国でのさらなる追加金融緩和観測が強まる場合や、欧州債務問題への懸念が後退してドル安が進む場合には、引き続き、金市況は上昇しやすいと思われる。


V.トピック: コモディティ市況の見通しについて


(1)個別要因による変動が大きかったこと、(2)マクロ経済的な要因の影響が見通しにくくなったことなどを背景に、コモディティ市況の先行きが一段と見通しにくくなっている。状況を整理すると、コモディティ市況は、QE3によって押し上げられるが、中国経済の減速しており、持続的な市況上昇は起こりにくく、横ばい状態での推移に移行するというシナリオがベースラインとして想定される。


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