コモディティ・レポート (2012年10月)
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2012/11/19
調査部 芥田 知至


I.コモディティ市況全般: 下落傾向が続く


コモディティ市況は、9月後半以降、下落傾向が続いている。欧州景気の低迷、中国景気の再加速の後ずれ、日本やアジアでの輸出を中心とした景気減速、米国の「財政の崖」などによる資源需要の鈍化が懸念された。対ユーロを中心にドル高が進み、ドル建てのコモディティ市況の下押し要因として意識された。


II.エネルギー市況: 緩やかな下落傾向


原油市況は、11月に入ってブレントが105~112ドル、WTIが84~89ドルで推移している。当面、中東における地政学リスクが下支え要因となるものの、世界的な景気減速に伴って原油需要の下振れが続くため、やや下落しやすい。ブレント原油の落ち着きどころとして、100ドル程度が意識されてくるだろう。


III.ベースメタル市況: 需要抑制から市況は低迷気味


銅市況は、9月後半以降は下落傾向となり、11月中旬は7,500ドル台~7,600ドル台を中心に推移している。欧州や中国を起点にした景気減速圧力が、米国や日本の製造業部門などにも悪影響を及ぼしており、世界的に製造業活動は勢いを欠いている。当面、銅市況は上値が重い展開が続くと思われる。


IV.貴金属市況: 金は一時1,700ドル割れ


金市況は、11月上旬に一時1,672ドルまで下落したものの、中旬には1,700ドル台に戻して推移している。今後も、欧州の財政金融危機、米国の「財政の崖」など材料に、リスク回避・リスク志向、ドル安・ドル高が繰り返される中で、金市況は一進一退が見込まれる。


V.トピック: 石炭、鉄鉱石、海運の市況がボトムアウトの動き


石炭、鉄鉱石、海運の市況は、中国需要の鈍化による供給過剰から大幅下落していたが、足元ではボトムアウトする動きになってきている。夏場頃に企業マインドが極度に慎重になって在庫削減が進んでいた反動から、一部では在庫の復元の動きも生じている。もっとも、景気の先行指標とされる銅市況は横ばい圏で推移しており、世界全体でみると製造業等の活動が、当面、低調なことを示唆している。


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