コモディティ・レポート (2014年5・6月)
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2014/06/30
調査部 芥田 知至


I.コモディティ市況全般: 5月にやや下落後、6月は再び上昇


ドル建て国際商品市況全般の動向を示すロイター・ジェフリーズCRB指数は、再び上昇してきている。マクロ経済的な要因に加えて、イラクやウクライナなど地政学要因や、インドネシアの禁輸措置や中国の青島港での不正取引の捜査といった個別要因も相場変動の材料となっている。強弱様々な要因が混在しているが、世界景気が回復する中で、地政学要因も意識され、商品市況はやや上昇しやすい状況が続きそうだ。


II.エネルギー市況: イラク情勢の緊迫化を受けて上昇


ブレント原油の市況は、昨年9月以来の高値まで上昇した。ウクライナ情勢、リビア情勢、イラン核開発問題など地政学的な懸念材料の解決策がみえない中で、イラク情勢の緊迫化という新たな懸念材料が加わった。原油相場は、やや上昇しやすい環境になってきている。


III.ベースメタル市況: 銅市況は一進一退後、足元は 6,900ドル台


銅市況は、ほぼ3月上旬に急落する前の水準に戻して、一進一退で推移している。中国には大量の港湾在庫があるとされ、鉱山の増産などを背景に先行きの需給緩和観測も根強いが、世界景気が回復傾向で推移するとみられる中、銅市況は、緩やかな上昇傾向が見込まれる。


IV.貴金属市況:金は下落後、1,300ドル台前半に回復


金市況は、3月中旬に1,390ドル超まで上昇した後、6月上旬にかけて1,240ドル近くまで下落したが、その後は、上昇に転じ、足元は1,310~1,320ドルを中心に推移している。今後も、主要国の景気動向や金融政策、イラク情勢やウクライナ情勢などを材料に、一進一退が見込まれる。


V.トピック


イラク情勢の緊迫化と原油相場・・・イラクでは、イスラム教スンニ派の過激派「イラク・シリアのイスラム国(ISIS)」による攻勢が続き、政治情勢や原油の生産・輸出の動向に悪影響が及ぶことが懸念された。現時点では、原油生産の中心である同国南部の油田の稼働状況に問題が生じないとしても、将来の原油需給のひっ迫化が懸念されやすい状況になっている。


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