コモディティ・レポート(2009年5月)
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2009/05/01


Ⅰ.4月の原油市況~横ばい圏で推移


原油相場(WTI、期近物)は、1バレル=50ドルを挟み横ばい圏で推移している。


市場では強弱両材料が入り混じり、景気や原油需要の先行きに対する見方が定まらず、方向感に乏しい展開が続いている。経済指標の改善を手がかりに、年後半からの回復期待が膨らむ反面、米金融機関への経営不安は払拭されず先行きへの警戒感も根強い。当面は、石油化学製品を中心に需要回復が続くと見込まれ、原油相場は年後半には緩やかな上昇基調をたどるとみられるが、下ぶれリスクをはらんだ展開が予想される。


II.4月の非鉄金属市況~月半ばにかけて上昇後、頭打ち


非鉄金属相場全般の動向を表すLME金属指数は、月前半に上昇したものの、後半には頭打ちとなった。相対的に需給の改善が展望しやすい銅についても、期待先行で相場が持ち直した面が強く、現実に需給の改善が今後も続くかについての確からしさはそれほどない。欧米の金融機関や自動車会社の経営問題などにより景気見通しが変化しやすく、新型インフルエンザの感染拡大といった新たな懸念材料も出てきている。銅やニッケルを中心に減産が進む中、年後半には景気が持ち直して非鉄金属相場は上昇するとみられるが、景気見通しには依然、不確実性が大きい。


III.トピック~金融市場としての原油市場


原油市場の日々の値動きの変動率に注目すると、昨年秋以降は変動率拡大が顕著となっている。一般に市場の流動性を示す目安として注目される価格変動率が拡大していることは、金融市場のひとつである原油市場の機能低下を示す動きと理解できる。


主体別の売買動向と原油相場の動きをみると、売りポジションを傾けていた投機筋の比率が低下すると相場が反発する動きが観察され、このところの相場上昇が、売り方の買い戻しの範囲にとどまっていることを示唆している。


需給要因での悲観的な見方が和らいでいるとはいえ、原油の金融商品化の流れが強まる中、株価が再び動揺すれば、原油相場も大きく下落するリスクをはらんでいる。


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