コモディティ・レポート(2009年6月)
全文紹介

2009/06/03


I.5月の原油市況~大幅上昇


原油相場は60ドル台後半へ大幅上昇した。他の商品や株式に比べた原油の出遅れ感は解消し、先高観測は弱まりつつある。依然として、石油製品や原油の在庫水準は高く、需給の引き締まり感は乏しい中で、米国の夏場のガソリン需要もそれほど伸びないとみられる。しかし一方で、物流関連や工業関連といった昨年後半以降に大幅に落ち込んだ分野の需要が今後、回復してくると見込まれる。このところの急上昇は一服したとみられるが、当面、原油相場は底堅く推移し、来年にかけて上昇基調になろう。


II.5月の非鉄金属市況~横ばい推移の後、月末に上昇


非鉄金属相場全般の動向を表すLME金属指数はほぼ横ばい圏で推移した後、月末から6月初めにかけて上昇した。中国による備蓄購入への期待が徐々にはく落したことが上値を抑制したが、世界的な経済指標の好転を背景に景気回復期待が強まり、リスク資産投資やドル安進行が月末からの相場押し上げの主因となった。こうした期待先行相場はいずれ調整局面を迎える可能性もあり、年後半の非鉄金属相場は、実際に世界経済の改善と生産調整の進展がどの程度実現されるかに依存するとみられる。


III.トピック~原油先物市場の先高観測は当たるか?


産油国から70~75ドル程度への価格上昇が好ましいとの発言もあり、先行きは現在よりも価格が上昇している可能性が広く意識されている。一方で、足元の原油相場を抑制している要因として、在庫の多さが指摘される。景気の先行きに対する見方は、過度な悲観が修正されてきており、各国における企業や家計の経済活動を回復させる大きな原動力になっているようにみえる。


依然として、原油の実物の需給がそれほど引き締まらない状況にあるものの、心理的な改善が、原油相場を押し上げやすい状況が続いている。先物価格が示唆する先高は実現しやすいように思われる。


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