コモディティ・レポート(2009年8月)
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2009/08/05


I.7月の原油市況~60ドル台を中心に一進一退


7月の原油相場(WTI、期近物)は、60ドル台を中心に一進一退であったが、月末にかけて70ドルに迫り、8月3日には71.58ドルとなった。石油製品や原油の在庫水準は高く、需給の引き締まり感は乏しいながら、世界景気の持ち直し観測が強まる局面では、株価や他の商品と同様に原油も上昇した。現在の相場水準は、製造業活動の回復基調やそれに伴う石油需要の増加を織り込んだものと思われ、さらに一段と相場が上昇するには、各国雇用情勢の下げ止まりや貿易・物流の持ち直しなど、新たな材料が必要となろう。しばらくは、70ドルをはさんだ一進一退の展開が予想される。


II.7月の非鉄金属市況~上昇テンポが一段と加速


非鉄金属相場全般の動向を表すLME金属指数は、7月中旬以降、上昇テンポが加速した。中国の家電購入支援策や小型PCの販売拡大などにより、エレクトロニクス関連の生産が回復していることに加え、米国で自動車販売に回復の兆しが出てきたことも市況を押し上げる要因となった。一方で高値警戒感も出ており、中国政府が部分的な引き締め策を行ったり、各国の失業率の高さが懸念されれば、相場は調整する可能性もある。もっとも、世界景気が回復するにつれ、相場水準は緩やかに切り上がろう。


III.トピック~先行きの需給改善を織り込んだ原油価格


2005~07年の夏場は60~70ドル台前半と現在の相場水準とあまり変わらない。現在の経済情勢や石油需給の状況と、2005~07年の夏場の状況を比較することは、現在の原油相場を考える上で参考になると思われる。石油の需給、石油製品と原油の価格差、経済情勢などを比較すると、2005~07年の夏場に比べて、原油相場を押し下げそうな要因が多い。それにもかかわらず、現在の原油相場が、2005~07年と同程度の水準を維持しているのは、先行きの需給改善を織り込んでいるためと考えられる。こうした状況下では、実際に冬場にかけて需給が改善してこない限りは、さらに相場が上昇する余地は小さいとみられる。


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