コモディティ・レポート(2009年9月)
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2009/09/07


I.8月の原油市況~高値更新も上海株安で下落


8月の原油相場(WTI、期近物)は景気回復期待を背景に上昇基調で推移し、25日には一時75.0ドルと昨年10月以来の高値をつけた。しかし、月末にかけて上海株の急落による景気の先行きへの懸念が強まったことにより60ドル台に下落、9月3日の終値は67.96ドルであった。石油製品や原油の在庫水準は高く、需給の引き締まり感は乏しいものの、2010年の原油需要の回復を織り込んだ水準にあるとみられる。このため、今後は一進一退の推移を続けたあと、景気回復の動きを確認しながら緩やかに上昇する見通しである。


II.8月の非鉄金属市況~上昇後に一進一退


非鉄金属相場全般の動向を表すLME金属指数は、8月前半にかけて上昇基調が続いた後、一進一退となった。現在の相場水準には、製造業を中心とした当面の景気持ち直しが織り込まれていると考えられる。一方で各国の失業率は高水準であり、自動車やエレクトロニクス製品の販売回復が持続するのか、懐疑的な見方が生じやすい。来年にかけて、実際に各国の個人消費や設備投資が回復基調を続け、金属需要が増加する可能性が高まったと判断されれば、相場水準は徐々に切り上がっていくだろう。


III.トピック~上海株の急落と原油相場


中国の金融緩和政策が変更される可能性が浮上したことをきっかけに、上海株が急落した。上海株安は原油市場でも売り材料とされたが、背景には2010年の原油需要回復の大半が、中国を中心とする新興国での需要増大に支えされており、中国景気の変調への懸念を呼んだためである。また、過度な融資拡大の一部が中国の資源確保の動きを加速させ、商品相場の押し上げ要因としてはたらいていたとみられ、金融政策変更は株式にとどまらず商品相場に与える影響も懸念されたとみられる。もっとも中国景気は政策効果が引き続き期待され、政策変更が限定的にとどまれば、旺盛な資源確保の動きが引き続き原油相場の下支え要因となろう。


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