コモディティ・レポート(2010年4月)
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2010/04/07


Ⅰ.原油市況 ~ 80ドル台半ばに上昇


原油相場(WTI、期近物)は、2月下旬から3月上旬にかけて、1バレル=80ドル前後で推移していたが、その後、徐々に上値を切り上げ、4月に入ると87ドル台をつけている。特に4月初めには、日中欧米で相次いで景気回復を示す経済指標が発表される中、株高・ドル安に伴って、原油高が進んだ。もっとも、ガソリンなどの製品需給は引き締まりにくく、石油製品価格が主導する形で原油相場が上昇する展開にはならないだろう。足元の原油相場の上昇が急だったこともあり、目先は、上値が重くなると見込まれる。


Ⅱ.非鉄金属市況 ~ 上昇傾向が鮮明


非鉄金属相場の動向を表すLME金属指数は、2008年8月以来1年8ヶ月ぶりの水準に上昇した。3月末以降、ドル安やグローバルな景気回復を背景に商品相場の上昇テンポが加速した。とりわけ、景気回復の恩恵を受けやすい銅や、出遅れ感の強かったニッケル相場の上昇が顕著となった。目先については、為替相場のドル高傾向に加えて、中国の金融引締め観測が高まる可能性があり、商品相場も軟調な展開が予想される。もっとも、金融引締めの影響は軽微にとどまるとみられ、グローバル景気の回復にともない商品相場はジリ高基調で推移する見通しである。


Ⅲ.トピック ~ ガソリン高・WTI高は持続するか


米国では夏の行楽シーズンにガソリン需要が増加する。2008年までは夏場のガソリン需給の逼迫懸念を材料にして、原油価格が上昇するパターンが繰り返された。今年3月のガソリン生産量は過去最高に達したとされ、ガソリン高が起こり、原油価格の上昇につながるとの見方が一部に出ている。もっとも、足元でみられるガソリンの生産・消費・価格の底堅さは、あくまでも相対的なものであり、石油需要のレベル感はまだ低い。中国やインドの最新鋭の製油所は重質原油の処理能力が優れていることも考慮すると、ガソリン高・WTI高が大幅に進むような環境にはないとみられる。


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