コモディティ・レポート(2010年5月)
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2010/05/12


I.原油市況 ~ 80ドル台の高値推移もギリシャ問題で急落


原油相場(WTI、期近物)は、4月から5月初めにかけて、80ドル台半ばの高値圏で横ばい推移したが、その後はギリシャの財政問題への懸念から急落し7日には一時74.51ドルと2ヵ月半ぶりの安値をつけた。金融市場全般でリスク資産投資を回避する動きが強まっているため、当面は上値の重い展開が予想される。もっとも、実体経済では世界的に景気回復に弾みがついており原油相場の下支えとなろう。


II.非鉄金属市況 ~ 高値から急落


非鉄金属相場の動向を表すLME金属指数は、4月15日に3767ポイントと2008年7月以来の水準に上昇したものの、5月4日には3225ポイントまで14%下落した。各国の経済指標は、引き続き景気拡大を示す内容だが、相場はギリシャ財政問題を引き金にして相場は急落した。世界経済の現状をみると、景気の遅行指標である設備投資にも改善傾向がみられ、景気拡大の基盤は広がっている。非鉄相場は、当面、上値が重くなると見込まれるが、今後さらに大幅に下落するような動きにはならないだろう。


III.トピック ~ 2010年の原油相場見通し


2010年の原油相場を需給面からみると、中国を中心に堅調な需要の拡大が見込まれる一方、OPECの余剰生産力が大きく、相場が急騰する局面では増産に機動的に動ける状況にあり、世界経済の回復にともない、相場水準を徐々に切り上げていくジリ高シナリオで推移する見通しである。一方、金融市場では先行き警戒感も強く、原油をはじめリスク資産投資に慎重姿勢もみられる。個々のリスク要因については、景気回復を背景に徐々に消化していくとみられるが、そのためにはしばらく時間がかかる可能性があり、今後も不安定な動きを繰り返す公算が大きい。このため、原油相場が一本調子に100ドルに迫るような展開には至らずに、一進一退を繰り返しながらゆっくりとした相場上昇が続く見通しである。


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