コモディティ・レポート(2010年6月)
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2010/06/11


I.原油市況 ~ 60ドル前半に下落後、70ドル台に戻す


原油相場(WTI、期近物)は、5月3日には一時87.15ドルと1年半ぶりの高値に達した後、20日には一時65ドル割れまで急落した。もっとも6月に入り、欧州財政問題への懸念を織り込む動きが一巡すると、原油相場は70ドル台を回復して推移している。当面、原油相場は、ドル相場や株式相場の動向に合わせて一進一退となり、70ドル台を中心に推移すると思われる。


II.非鉄金属市況 ~ 金融市場の動揺が波及し急落


非鉄金属相場の動向を表すLME金属指数は、4月15日に1年9ヶ月ぶりの水準に上昇した後下落傾向が強まり、6月7日には昨年10月以来の安値をつけた。欧州の財政危機をきっかけに株や商品などリスク資産投資を控える動きが強まったことや、対ユーロを中心としたドル高によりドル建てで取引される商品全般に割高感が強まったこと、また、中国の金融引締めや景気減速への警戒感などが相場の下押し要因となった。当面は、金融市場の動揺が波及する形で不安定な動きが続くと予想されるが、世界経済の回復傾向は鮮明となっていることが金属相場を下支えする見通しである。


III.トピック ~ メキシコ湾岸の流出事故と原油価格


石油メジャーのBPがメキシコ湾岸で開発していた油田掘削設備のディープウォーター・ホライズンが爆発し、過去最悪の原油流出事故につながっている。中間選挙を控えるオバマ大統領にとって、政権を揺るがしかねない問題だとの見方がある。原油市場では、新規の掘削活動が停止された状態が続いたり、深海での掘削が禁止されたりすることにより、将来、原油供給が抑制されるとの懸念が生じていたと考えられる。しかし、米政府は、新規掘削の見合わせ期間を短縮する動きをみせており、今後、開発規制への過度な懸念が徐々に解消されると思われる。原油先物価格の先高度合いは緩まることになろう。


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