コモディティ・レポート(2010年8月)
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2010/08/11


I.原油市況 ~ 買い戻しが続き80ドル台


原油相場(WTI、期近物)は、欧州危機による金融市場の動揺から5月20日に一時65ドル割れの安値をつけた後に、徐々に上値を切り上げ、8月に入ると80ドル台前半で推移している。今後も、世界的に実体経済面での回復が続き、石油需要も緩やかな増加傾向が続くとみられる。もっとも、一時に比べ緩和したとはいえ、米国、欧州、中国とも、先行きの不透明要因は強い。そうした中で、原油相場は、ドル相場や株式相場の動きに連動しながら70~80ドル台を中心にボックス圏での推移が続く見通しである。


II.非鉄金属市況 ~ 買い戻しの動きが優勢


非鉄金属相場動向を示すLME金属指数は、欧米企業の好決算や欧州ストレステストをきっかけに、7月後半から買い戻しの動きが優勢となった。中国需要に加えて、欧米需要の戻りも確認されるようになり、銅などの在庫減少が市場で注目されるなどマクロとミクロが乖離した状況にある。世界経済の回復ペースをめぐり強弱材料が交錯し、不透明要因が強い状況が続くことから、金属相場は一進一退の動きが続くとみられるが、世界経済回復にともなう金属需要の拡大が続いており、不透明要因が後退するにつれ、金属相場は徐々に上値を切り上げる見通しである。


III.トピック ~ 金融政策と原油相場


まず、金融政策が、企業や投資家の景気見通しに対して直接的に影響を及ぼす場合を考えてみると、追加金融緩和策によって景気見通しが改善するのであれば、株価と原油価格がともに上昇する理由になる。一方で、金融政策は、金利を変化させることを通じて、様々な資産の相対的な魅力を変化させる効果を生む。例えば、金融政策によって、相対的にドルの金利が低くなるような場合には、ドル安圧力を背景として、原油高圧力が働きやすい。しかし現状では、各国で金利の引き下げを中心とした通常の金融政策の余地が小さくなっており、金融政策が、金融市場や原油相場に及ぼす影響も限定的になってきている。


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