コモディティ・レポート(2010年10月)
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2010/10/08


I.原油市況 ~ 80ドル台に戻す


原油相場(WTI、期近物)は、このところ80ドル台で推移している。10月末頃にかけて、米国では製油所の定期修理などに伴う石油製品の生産調整・在庫調整が一巡し、欧州では北海油田の定期修理などに伴う石油市場のタイトさが一巡してくるだろう。予見されている調整が一巡した後の冬場の需要の実勢は、依然として読みづらい。ドル安に伴い原油相場は押し上げられているが、需要回復見通しが描けないと、原油相場(WTI)は上値を追いにくい。当面、80ドル前後の推移が続くとみられる。


II.非鉄金属市況 ~ 上昇傾向が鮮明


LME金属指数は、2008年7月以来2年3ヶ月ぶりの高値をつけた。米景気への過度な先行き悲観論が和らいだことや、FRBが一段の金融緩和姿勢を示したこと、米ドル安などが金属相場を押し上げた。とりわけ供給懸念が強まった銅や錫では在庫の減少傾向が鮮明となり節目となる相場水準を更新し、その他の金属も銅に連れ高した。グローバルな経済成長が金属需要の拡大を支援する中、金融面での相場押し上げもしばらく期待でき、金属相場は一段と上値を切り上げる見通しである。新たな供給障害が発生などにより、来年にかけ資源価格の急騰シナリオも無視できず注意が必要であろう。


III.トピック ~ WTIのトリプル安?


このところのドル相場の下落は、ドルや米国経済への信認の低下を映した面があろう。一方、最近の原油価格の動向をみると、WTIへの信頼感が低下していることを示す動きもあるとみられる。現状は、ドル相場の下落を材料に、原油価格が上昇する流れが続いている。そうした中で、メインシナリオではないが、日本からみれば、WTIの原油価格は、(1)原油安、(2)WTI安、(3)ドル安(つまり円など他通貨高)のトリプル安に陥る可能性もそれなりにあると思われる。


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