コモディティ・レポート(2010年11月)
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2010/11/12


I.原油市況 ~ 80ドル台に戻す


原油相場(WTI、期近物)の基調をみると、9月まで1バレル=70~80ドルを中心に推移した後、10月は80ドル前半に上昇し、11月に入って85ドル前後まで切り上がっている。米国の石油需給環境に大きな変化はみられないが、金融緩和の効果や欧州・アジアの石油需給などが相場の材料になっている。もっとも、冬場の需要期に入り、米国の石油需給に目が向けられがちである。実物面をみてしまうと、原油相場(WTI)は上値を追いにくい。当面、85ドル前後の推移が続くとみられる。


II.非鉄金属市況 ~ 中国需要と金融緩和を背景に相場高騰


LME金属指数は、2008年7月以来2年3ヶ月ぶりの高値を更新した。中国の需要回復への期待が日増しに高まっていることや、米国の歴史的な金融緩和が相場を押し上げている。堅調なグローバル景気、金融緩和、米ドル安の組み合わせが、来年にかけて商品相場を一段と押し上げる見通しである。過去最高値を更新し9,000ドル台到達が確実視される銅については、来年前半にも10,000ドルの大台にのせる可能性が高まるなど、金属をはじめ商品価格全般が再び高騰する兆しがあらわれている。


III.トピック ~ 米国の量的緩和策と原油価格


11月にかけてコモディティ相場が全面高となった背景として、米国の量的金融緩和策が指摘されることが多い。一部の市場データは、量的緩和実施前後に市場心理が不安定になっていたことを示唆するようにもみえる。量的緩和の決定後には、それまで織り込まれていなかったドルの通貨価値の下落が進んだように思われる。つまり、景気回復観測が強まったというよりも、ドルの通貨価値が下落したため、実体経済コモディティなどの実物資産やユーロなどの外貨資産が総じて上昇したのではないだろうか。


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