コモディティ・レポート(2010年12月)
全文紹介

2010/12/14


I.原油市況 ~ 一時的に90ドル台乗せ


原油相場(WTI、期近物)は1バレル=70~80ドルを中心に推移していたが、原油相場の中心値は、10月に80ドル前半、11月には85ドル前後に切り上がり、さらに12月には一時的に90ドル台に達した。もっとも、石油製品在庫や原油在庫は高水準にとどまっており、需給環境に大きな変化はみられない。米国金融政策の動向、欧州の財政問題での対応策、中国の金融引き締めなどマクロ経済的な不透明要因が多いものの、原油相場は、基調としては80ドル台後半程度を中心としたボックス圏の推移が想定される。


II.非鉄金属市況 ~ 欧州危機により急落もすぐに反発


LME金属指数は、米追加金融緩和期待の後退や欧州危機をきっかけに反落したが、12月に入り景気の先行きに対するセンチメントの改善を受け1ヶ月ぶりの戻り高値をつけた。銅などベース・メタルの現物資産を裏づけとするETP(Exchange Trade Products:上場投資信託)の設定が、新たな需要拡大期待を強めており、金、銀、銅が商品相場の主役になっている。欧州危機再燃や、中国の金融引き締めへの警戒感がリスク要因となるが、グローバルな景気回復と金融緩和の組み合わせが商品相場を押し上げる構図が今後も続く見通しである。最終需要家の企業にとっては、利益確保が難しくなることが懸念される。


III.トピック ~ 2011年が2008年と異なる点


足元の原油相場は、147ドルまで暴騰した2008年の状況に似てきたという見方も出ている。しかし、(1)行き過ぎた価格上昇の記憶が鮮明に残っていること、(2)産油国に十分な供給力があること、(3)豊富な石油在庫があること、(4)先物価格の動向も価格上昇が一時的なことを示唆していること、(5)ドル安による原油相場の押し上げが続きにくいことなど、2008年の状況とは異なる点が多い。2011年の原油価格は、前年に比べて取引レンジが緩やかに上昇し、80ドル台後半を中心としたボックス圏の推移が想定される。


全文紹介 前のページへもどる

ページの先頭へ

1234567890