コモディティ・レポート(2011年2月)
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2011/02/18


I.原油市況 ~ ブレント原油100ドル台、WTI原油80ドル台


原油相場(WTI、期近物)は、1月から90ドル前後での推移が続いたが、2月半ばにかけて80ドル台半ばに下落した。ブレント原油は100ドル超での推移が続いている。欧州の原油需給は相対的に引き締まっているとみられるものの、冬場の需要期を過ぎて、需給は緩和すると見込まれる。中国など新興国の引き締め策、先進国の長期金利の上昇などが景気や商品需要の抑制要因になるとの懸念もある。ブレント原油とWTI原油の価格差は縮小し、WTI原油は、いったん80ドル割れ程度まで下落する可能性がある。


II.非鉄金属市況 ~ 銅10,000ドル、錫(スズ)は30,000ドル


LME金属指数はおよそ4年ぶり高値をつけた。グローバルな景気回復と金融緩和の組み合わせが商品相場を押し上げ、銅は10,000ドル、錫は30,000ドルの大台にのせた。今後も、世界経済の成長にともない商品相場の上昇が続く見込みである。ただし、米国や新興国の金融政策の変化が、今年後半の経済情勢に与える影響について、市場の見方が落ち着くまでしばらく値動きの激しい展開になる見込みである。歴史的な相場高騰は、開発投資や代替需要の模索など行動変化を促すこととなり、行動変化が中期的な相場動向に与える影響に注意が必要である。


III.トピック ~ 2011年の原油市況の見通し:高成長・原油高シナリオは考えにくい


2010年の原油価格の平均値80ドルに対して、2011年の原油価格が100ドルに上昇した場合を考えると、世界のGDPの1%に相当する追加的な所得移転が発生することになる。さらに原油価格上昇が進めば、景気に大きなダメージとなる可能性が大きいようにみえる。原油価格のメインシナリオとしては、80ドル台後半を中心としたボックス圏の推移が想定される。世界経済の拡大が続く中で、新興国を中心に石油需要が増加し、2011年の原油価格の取引レンジは、2010年に比べて緩やかに上昇するイメージである。2012年も緩やかな上昇傾向が続くだろう。


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