コモディティ・レポート(2011年3月)
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2011/03/23


I.原油市況 ~ 日本の震災・原発事故とリビア情勢が材料


3月に入って、ブレント原油を中心に投機的に買われやすい状況が変化している。すなわち、原油高の世界景気への悪影響が懸念される中で、日本の大災害も先行き不透明要因になり、原油需給が緩和した。その後、仏英米軍によるリビア政府軍への攻撃を材料に原油相場は再び上昇しているが、追加的な需給引き締め材料にはなりにくい。現局面では、景気の抑制要因にならないような価格への調整が起こりやすいと思われ、いずれブレント原油で100ドル割れ、WTI原油で90ドル割れまで下落が進むと思われる。


II.非鉄金属市況 ~ 高値更新後は反落


LME金属指数は、原油価格の急騰による世界経済の減速懸念や東北関東大震災の影響などから反落、昨年12月以来3ヶ月ぶりの安値をつけた。当面は金融市場の不安定な動きに左右されやすい展開が続き、また、米国や新興国の金融政策の変化が、今年後半の経済情勢に与える影響も波乱要因となりやすい。もっとも、世界経済の成長にともなう商品相場の緩やかな上昇が続く見込みであり、歴史的な相場高騰は、開発投資や代替需要の模索など行動変化を促すこととなり、行動変化が中期的な相場動向に与える影響に注意が必要である。


III.トピック ~ 震災・原発・リビアと原油価格


日本の大震災や原発事故は、重大な事象として原油価格の動向にも影響を及ぼした。すなわち、原発事故の深刻化や震災復旧の遅れへの懸念が世界景気の不透明要因として強く認識され、3月15日には原油価格が大幅した。しかしその後、19日には仏英米軍がリビア政府軍を攻撃し、地政学的な不透明感の増大により原油価格は再び上昇している。日本の大地震・原発事故の影響は、リビアでの軍事衝突により相殺された形である。もっとも、現在のような高水準の原油価格は、経済活動の抑制要因になるとみられ、いずれ原油価格は下落すると考えられる。


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