コモディティ・レポート(2011年9月)
全文紹介

2011/09/30


I.原油市況 ~下落


原油価格は供給懸念などを背景に他のコモディティに比べ底堅く推移していたが、9月下旬には、欧州財政問題の解決に目途が立たなければ、金融市場への悪影響が拡大して世界的な景気後退を招く可能性が懸念され、下落した。今後、リビア油田の復旧やアンゴラからの原油供給の増加が見込まれる一方で、欧州を中心とした景気下振れにより原油需要はやや抑制され、原油価格は下がりやすい。年内に、WTI原油は80ドル前後、ブレント原油は90ドル台半ばを中心とした推移になっていくとみられる。


II.ベースメタル市況 ~9月後半に大幅下落


9月後半は、貴金属、ベースメタル、エネルギー、農産物を含めてコモディティは全面安といってよい状況だった。ベースメタルの中では、銅、鉛、亜鉛が夏場以降も相対的に底堅い値動きを続けていたが、9月後半にはそれらも大幅に下落した。しかし、新興国を中心に世界需要の増加が見込まれる中、欧州金融安定基金(EFSF)の拡充など欧州財政問題への対応が進められ、金融市場における不安心理が後退すると、ベースメタルの市況は、ある程度持ち直すと思われる。


III.トピック ~石油パイプライン(キーストーンXL)の建設が原油需給に及ぼす影響


WTI原油は国際的な原油価格の指標としてはやや難ありである。北米地域では、カナダのオイルサンドの増産、既存油田からの回収増、シェール層のタイトオイルの開発により、原油供給の増加が図られ、その結果、WTI原油の受け渡し地点であるクッシングでは原油需給が緩和している。このため、WTI原油の価格は国際水準に比べて低迷している。しかし、早ければ、年内にも建設が許可されるキーストーンXLパイプラインにより状況は変化しうる。大統領選を控える中、オバマ政権の判断が注目される。


全文紹介 前のページへもどる

ページの先頭へ

1234567890