コモディティ・レポート(2012年5月)
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2012/06/13


I.コモディティ市況全般: 下落傾向が続く


コモディティ市況は、2012年に入って上昇傾向で推移していたが、3月中盤以降は、米国の追加金融緩和期待の後退や中国経済の減速観測から下落傾向となった。特に5月にはギリシャの政局やスペインの銀行救済問題が下押し材料となり、6月に入っても欧州情勢や景気先行き懸念が強まった。


II.エネルギー市況: 5月中旬以降に大幅下落、一時WTI81ドル、ブレント95ドル


原油市況は、5月中旬以降に大幅下落した。イランの核開発問題など地政学的な懸念も残るが、当面は、欧州財政金融問題や米中の景気減速による需要の下振れが意識され、ブレント原油は90ドル程度まで下落すると予想される。パイプライン輸送による需要増が見込まれるWTI原油は相対的に底堅いだろう。


III.ベースメタル市況: グローバルな先行き不安で大幅下落、銅は7,300ドル割れ


銅市況は、5月中盤以降、8,000ドルを下回る推移が続き、6月に入って7,300ドル割れまで下落した。もっとも、米国の住宅部門関連や日本の復興関連での銅需要が緩やかに持ち直しており、年後半は、足元で減速感が出ている中国需要の回復とともに、銅などベースメタル市況は上昇するだろう。


IV.貴金属市況: ドル安や安全資産買いを背景に金は1,600ドルを回復


5月中旬には、ギリシャ政局の混迷などを背景に、為替市場でドル高・ユーロ安が進む中で、金市況は下落した。しかし6月初には米国景気の悪化懸念から、株価下落が進む中、金市況は安全資産として買われ、1,600ドル台に上昇した。強弱の相場材料が交錯する状況が続き、当面、一進一退の推移が見込まれる。


V.トピック: ナフサ市況の低迷が示唆すること


ナフサは、自動車、エレクトロニクス製品、食料品包装など幅広い用途がある石油化学製品の主原材料である。足元のナフサ市況は、その原料である原油よりも大幅に下落するなど軟調ぶりが目立ち、産業活動の弱さを示すようにもみえる気がかりな動きである。しかし、ナフサ市況の弱さは、資源開発の進展や原材料利用の高度化など前向きな産業活動の現れだともいえる。


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