コモディティ・レポート(2012年7月)
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2012/08/09


I.コモディティ市況全般: 7月は上昇後、頭打ち


コモディティ市況は、6月29日のEU首脳会議の結果を受けて反発したが、8月にかけて上値は重くなった。イランやシリアなど中東の地政学問題が意識されて原油市況が押し上げられ、米国の干ばつを背景として農産物市況が高騰した一方で、景気の不透明感から工業原材料は上値が重かった。


II.エネルギー市況: 地政学リスク懸念などを材料に上昇


原油市況は、8月に入ってブレントで110ドル前後、WTIで90ドル超まで上昇してきた。米欧の金融緩和観測や景気下振れ懸念の後退によって、株式市況が持ち直し、投資家の運用意欲が高まる中で、原油は、シリアやイランの地政学リスク要因も買い材料として意識された。先行きは一進一退が見込まれる。


III.ベースメタル市況: グローバルな景気動向を材料に一進一退


銅市況は、7月下旬以降、7,300~7,600ドルを中心に推移した。中国の金属需要は、建築関連の低迷が続き、輸出関連は停滞しているが、電力関連を中心に底堅いようだ。今後、米国の住宅部門の持ち直しや日本の復興需要が見込まれるが、欧州問題などへの懸念も残り、銅市況は一進一退が見込まれる。


IV.貴金属市況:金は1,600ドルをはさんで横ばい圏が続く


金市況は、6月から8月上旬にかけて、1,600ドルをはさんで横ばい圏の推移となった。FRBの追加量的緩和(QE3)観測や欧州債務問題を材料とした市況変動が続き、結果的にドル相場と連動(ドル安ならば金上昇、ドル高ならば金下落)している。引き続き、金融政策や欧州問題を材料に一進一退が見込まれる。


V.トピック:石炭価格の低迷について


シェールガス革命の直接・間接の影響によって、北米の天然ガスと石油の価格低下などは目立つが、それが石炭にも波及しているかとなると判然としない。今のところ、世界景気の先行きが不透明なことや、米国では閉鎖される石炭火力発電所が多いことを背景に、世界の石炭需要が鈍化しているので、石炭価格が下落しているとみた方が自然だと思われる。


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