2011年1~3月期のGDP(2次速報)結果
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2011/06/09


本日発表された2011年1~3月期の実質GDP(2次速報)は前期比-0.9%(年率-3.5%)となり、1次速報の同-0.9%(年率-3.7%)からわずかに上方修正された。名目成長率も同-1.3%(年率-5.1%)と1次速報の同-1.3%(年率-5.2%)から小幅に上方修正された。GDPデフレーターは前年同期比-1.9%と1次速報と同じだった。


需要項目別に1次速報からの修正状況をみると、個人消費は前期比-0.6%、住宅投資は同+0.7%とどちらも1次速報と同じだった。需要サイドの統計である法人企業統計調査の結果などを受けて、設備投資は同-0.9%から同-1.3%へと下方修正され、民間在庫の実質GDPに対する前期比寄与度は-0.5%から-0.4%へと上方修正された。また、政府最終消費は同+0.9%へ、公共投資は同-1.4%へと、それぞれ小幅に下方修正された。この結果、内需の前期比寄与度は1次速報の-0.8%から-0.7%と上方修正された。輸出は1次速報と同じで、輸入は1次速報からわずかに下方修正されたが、外需の前期比寄与度は-0.2%のままだった。


2次速報の結果は総じて1次速報から大きな修正はなく、1~3月期の実質GDPが震災の影響でマイナス成長となったことが改めて確認された。もっとも、震災直後の一時的な混乱を経て、企業はすでに復興に向け動き出している。復興需要が現れてくるのに並行して、自動車メーカーなどのサプライチェーンは急ピッチで立て直しが進んでおり、震災直後に企業の足を大きく引っ張った電力不足も4月以降はひとまず解消している。経済産業省の製造工業生産予測調査によると、5月は前月比+8.0%、6月は同+7.7%と、4月頃をボトムに生産は急速に持ち直していく見通しとなっている。生産水準が一旦大幅に低下した影響で4~6月期の実質GDPもマイナス成長が避けられそうにないが、足元で景気が上向いていることは間違いない。


ただ、景気の先行きには不安材料も多い。今夏には東京、東北電力管内で電力需給が逼迫すると予想され、対策として政府は企業や家計に対し使用最大電力を昨年の同じ時期に比べ15%抑制するよう要請している。その他の地域でも福島での事故を受けて原子力発電所の再稼動が遅れており、電力不足への懸念が高まっている。各企業の工夫により、節電が生産活動を大きく低下させることにはならないとみられるが、それでも下押しする圧力となることは確かである。また、世界経済は新興国を中心に概ね堅調に推移しているものの、商品市況の上昇などが影響して一部で減速の兆しが出ている。世界経済が大きく減速し輸出が腰折れするようだと、復興を目指す日本経済にとって大きな重石となる。景気は今後も持ち直し基調で推移するとみられるが、当面、予断を許さない状況が続く見込みである。


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