2012年7~9月期のGDP(2次速報)結果
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2012/12/10
調査部 小林 真一郎


本日発表された2012年7~9月期の実質GDP(2次速報)は前期比-0.9%(年率-3.5%)と1次速報値と同じ伸び率となった。名目成長率も、同-0.9%(年率-3.6%)と、1次速報から変更されなかった。GDPデフレーターは、前年同期比-0.8%となり、1次速報の同-0.7%から小幅下方修正された。


需要項目別に1次速報からの修正状況をみていくと、個人消費は前期比-0.5%から同-0.4%に若干上方修正され、住宅投資は同+0.9%から修正がなかった。設備投資は、1次速報時点では公表されていなかった法人企業統計調査が推計に反映されたが、同-3.2%から同-3.0%に変更されただけで、大きな修正はなかった。一方、民間在庫の実質GDPに対する前期比寄与度は+0.2%から+0.3%に上方修正された。また、公共投資が前期比+4.0%から同+1.5%に大幅に下方修正され、逆に政府最終消費は同+0.3%から+0.6%に上方修正された。


以上の結果、内需の前期比寄与度は1次速報の-0.2%のままで変化がなく、うち民需の寄与度も-0.4%まま修正されなかった。一方、公的需要の前期比寄与度は1次速報の+0.3%から+0.2%に小幅下方修正された。


外需の前期比寄与度は同-0.7%のまま据え置きとなった。個別の動きをみても、輸出が前期比-5.0%から同-5.1%に、輸入が同-0.3%から同-0.4%にそれぞれ小幅下方修正されたにとどまった。


公的需要の内訳の修正を除けば、1次速報値の結果とほぼ同じ内容であり、景気はすでに後退期に入っている可能性が高いとの評価に変化はない。なお、2011年度の伸び率が、これまでの前年比-0.0%成長から同+0.3%成長に上方修正され、需要項目ごとの数値も修正されている。中でも、固定資本形成における民間企業設備投資と公共投資の分配が見直されたことから、両者の数字が大幅に変更されている。具体的には、民間企業設備投資はこれまでの前年比+1.1%から同+4.1%に上方修正され、逆に公共投資は同+2.9%から同-2.3%に大きく下方修正された。東日本大震災以降、景気を押し上げてきたと考えられていた政府による復旧・復興需要は、実際には震災後、しばらくの間は効果が薄かったことが示された。その半面、民間の設備投資の復旧・復興が先行し、景気を押し上げていたようである。もっとも、これらは2011年度中の数字であり、足元の景気の見方に変更はない。


今後は、いつ景気が底を打つかが注目されるが、当社ではそのタイミングは2013年1~3月期、遅くとも4~6月期であると考えている。後退期の期間は1年程度となり、長さとしては過去の平均並みとなる。調整の深さも、景気の山がそれほど高くなく、大きな構造的な問題も抱えていないことから判断すると、それほど深刻な落ち込みにはならないと考えられる。景気が底を打つのは、世界経済の回復ペースが緩やかながらも高まることを受けて、輸出が持ち直してくるためである。


もっとも、景気の回復ペースは、底打ち後しばらくは緩やかなものにとどまりそうだ。個人消費や設備投資などの内需が持ち直すまでに、時間がかかるためである。景気をけん引してきた公共投資も、2013年にはピークアウトする見込みだ。それでも、10月の鉱工業生産が前月比で  +1.8%と4ヶ月ぶりに増加したうえ、生産予測指数では11月の前月比-0.1%の後、12月は同+7.5%と急増が見込まれているなど、近いうちに景気が底打ちする兆しは出ている。


底打ちした後も生産が増加基調を続けるためには、輸出の回復が不可欠である。しかし、輸出は、10月の実質輸出が前月比-2.9%と6ヶ月連続でマイナスとなり、減少に歯止めがかかっていない。海外景気にも持ち直しの動きが出てきており、輸出がいずれ増加に転じることが期待されるが、その動きは今のところ見られない。今後は景気の底入れの時期を探っていくことになるが、輸出が持ち直してくるかどうかが鍵を握っているといえよう。輸出の回復が遅れるようであれば、鉱工業生産指数がいったん底入れしたとしても、一時的な動きにとどまってしまうことになろう。


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