2013年1~3月期のGDP(1次速報)結果
全文紹介

2013/05/16
調査部 小林 真一郎


本日公表された2013年1~3月期の実質GDP成長率は前期比+0.9%(年率換算+3.5%)と高い伸びとなった。2012年10~12月分も前期比+0.3%に上方修正されており、これで2四半期連続の増加である。景気が昨年中に底打ちし、年明け後も順調に回復していることを改めて確認する結果であるといえる。


前期比でプラス幅が拡大した要因は、第一に家計部門の底堅さが続いているためである。個人消費は所得情勢が厳しい中、消費者マインドの高まりにも支えられて、耐久財やサービスへの支出が堅調で前期比+0.9%と2四半期連続でプラスとなった。住宅投資も着工件数の増加を反映して、同+1.9%と4四半期連続でプラスと好調を維持している。第二の要因は、輸出が持ち直してきたためであり、輸出は同+3.8%と4四半期ぶりにプラスに転じた。


公共投資は、震災からの復興需要による押し上げ効果の持続により、同+0.8%と5四半期連続で増加したが、昨年度の景気対策の効果が出てくるまでの端境期に差しかかっており、さすがに伸びが鈍ってきた。政府消費は同+0.6%とプラス基調を維持している。


その半面、企業部門は弱い動きが続いている。設備投資は同-0.7%と5四半期連続で前期比マイナスとなった。もっとも、マイナス幅は徐々に縮小している。また、素材業種を中心とした在庫調整圧力の継続から、在庫投資の前期比寄与度は-0.2%となった。


実質GDP成長率を内外需別の寄与度でみると、内需では同+0.5%と2四半期連続でプラスとなった。一方、外需寄与度は、輸出の高い伸びに対して輸入の伸びが同+1.0%にとどまったため、同+0.4%と4四半期ぶりにプラスに転じた。


名目GDP成長率は同+0.4%(年率換算+1.5%)と2四半期連続でプラスとなった。また、経済全体の総合的な物価動向を示すGDPデフレーターは、為替円安で輸入デフレーターが急上昇したこともあって、前年同期比-1.2%とマイナス幅が拡大した(前期比では-0.5%)。


2013年4~6月期以降も、実質GDP成長率は前期比でプラスを維持する可能性が高い。まず、消費者マインドの高まりもあって、個人消費が底堅さを維持しそうである。さらに年度末にかけては消費税率引き上げ前の駆け込み需要が加わると予想される。もっとも、所得情勢の改善に遅れがみられ、足元の勢いを続けることは難しい。次に、昨年度の景気対策の執行が本格化するため、公共投資の前期比での増加幅が再び拡大してくると予想される。さらに、海外経済の回復を背景に輸出が前期比で増加基調を維持知ると期待される。ただし、円安が輸出数量を押し上げるようになるためには、まだまだ時間がかかりそうであり、外需寄与度は小幅のプラスにとどまろう。減少に歯止めのかかっていない設備投資も、企業業績の改善を受けて徐々に持ち直していくであろう。輸出や設備投資の増加によって、鉱工業生産は緩やかな増加基調を保つと考えられる。


一方、円安によるマイナス効果も懸念される。円安による調達コストの上昇によって企業の利益を押し下げに寄与する。また、輸入物価の上昇は消費者物価の押し上げにつながると予想され、実質賃金の低下を通じて個人消費に悪影響を与えると考えられる。円安によって輸出数量の増加を促す効果が限られるようであれば、円安はむしろ景気の足を引っ張ることになりかねず、安倍政権の下で高まってきた景気回復への期待感がしぼんでしまうことにもなりかねない。


全文紹介 前のページへもどる

ページの先頭へ

1234567890