2013年1~3月期のGDP(2次速報)結果
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2013/06/10
調査部 小林 真一郎


本日発表された2013年1~3月期の実質GDP成長率(2次速報)は前期比+1.0%(年率+4.1%)と1次速報値の同+0.9%(年率換算+3.5%)から小幅上方修正された。名目成長率も、同+0.4%(年率+1.5%)から同+0.6%(年率+2.2%)に上方修正となった。なお、GDPデフレーターは、前年同期比-1.2%から同-1.1%に変更された。


需要項目別に1次速報からの修正状況をみていくと、個人消費は前期比+0.9%、住宅投資は同+1.9%から修正がなかった。設備投資は、1次速報時点では公表されていなかった法人企業統計調査が推計に反映された結果、同-0.7%から同-0.3%にマイナス幅がやや縮小した。全体に影響を及ぼしたのが民間在庫の実質GDPに対する前期比寄与度であり、法人企業統計の結果に基づいて仕掛品在庫、原材料在庫の状況が反映された結果、速報値の-0.2%から同横ばいに変更された。また、公共投資は前期比+0.8%から同+0.4%に、政府最終消費が同+0.6%から同+0.4%にそれぞれ下方修正された。


以上の結果、内需の前期比寄与度は1次速報の前期比+0.5%から+同0.6%に小幅上方修正された。一方、外需の前期比寄与度は同+0.4%のまま据え置きとなった。個別の動きをみても、輸出が前期比+3.8%、輸入が同+1.0%と1次速報値から修正されなかった。


在庫の上方修正を除けば1次速報値の結果とほぼ同じ内容であるといえ、景気は昨年中に底打ちし、年明け後も順調に回復しているとの見方を変更する要素は特には見当たらない。


今後のポイントは、第一に、消費者マインドの高まりもあって堅調に推移している個人消費が底堅さを維持できるかどうかである。円安・株高がマインド改善の背景にあったが、円安の流れが修正され、株価も一時の水準から大幅な調整を余儀なくされるなど、金融市場は不安定な動きになっている。さらに、所得情勢の改善が遅れ、足元で物価上昇圧力が高まりつつあることなどから判断すると、消費が足元の勢いを続けることは難しいであろう。年度末にかけては消費税率引き上げ前の駆け込み需要が押し上げ要因になると予想されるものの、これまで高まってきた景気回復期待が次第に落ち着いてくることもあって、個人消費の伸びはいったん大きく鈍化する可能性がある。


第二に、遅れている企業の設備投資がいつ持ち直してくるかである。前期比でのマイマス幅が徐々に縮小していることや、企業業績の改善が続いていることから判断すると、早ければ4 ~6月期にも前期比プラスに転じると期待される。それでも、生産拠点の海外移転が続き、少子高齢化で将来的な国内需要の低迷が懸念される中では、短期間のうちに設備投資が力強く回復することは期待できそうにない。製造業の設備稼働率の低さや機械受注の回復のもたつきも、回復ペースの鈍さを示唆している。


昨年度の景気対策の執行が本格化するため、公共投資の前期比での増加幅が再び拡大してくると予想される。また、海外経済の回復を背景に輸出が前期比で増加基調を維持すると期待される。このため、今後も景気の持ち直しの動きが途切れることはないであろう。しかし、円安による調達コストの上昇が企業の利益の押し下げに寄与することや、輸入物価の上昇は消費者物価の押し上げにつながると予想され、実質賃金の低下を通じて個人消費に悪影響を与えると考えられ、今後の景気回復ペースは緩やかなものになってきそうだ。


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