2013年10~12月期のGDP(1次速報)結果
全文紹介

2014/02/17
調査部 小林 真一郎


本日公表された2013年10~12月期の実質GDP成長率は前期比+0.3%(年率換算+1.0%)と4四半期連続でプラスとなり、景気が引き続き緩やかに持ち直していることが確認された。


民需全体では前期比+0.8%と伸びが強まっており、消費税率引き上げ前の駆け込み需要の動きが一部で強まりつつある。個人消費は前期比+0.5%となり、7~9月期と比較すると伸び率が高まった。ただし、デフレーターの上昇が高まったことにより、名目の伸び率(同+0.9%)と比べると伸びは小幅にとどまった。消費者マインドの改善などを背景に消費者は名目では支出を増やしているものの、物価の上昇圧力が強まっており、実質での伸びが抑制された。また、冬のボーナスが前年水準を上回った可能性があるなど名目雇用者報酬は前期比+0.7%と順調に増加したが、実質では同+0.1%と小幅の伸びにとどまった。


住宅投資は前期比+4.2%と堅調に増加した。これで7四半期連続での増加であり、伸び率も高まっている。住宅ローン金利の先高感や消費税率引き上げを控えての駆け込み需要などによって足元の着工件数が増加していることが押し上げにつながっている。


設備投資は前期比で3四半期連続のプラスとなり、伸び率も+1.3%と高まってきた。企業業績が好調に推移する中、企業の景況感も持ち直しており、設備投資マインドも改善しつつある。在庫投資は、在庫指数の低下などを反映して小幅減少した(前期比寄与度では前期比-0.0%)。


これらの民需の実質GDP成長率に対する寄与度は前期比+0.8%と4四半期連続でプラスとなるとともに、今回の景気回復局面において最大の伸び率となった。公的需要全体も前期比寄与度は+0.9%と、伸びはやや低下したものの高い伸びを維持している。公共投資は、経済対策の執行が一巡しつつあり前期比+2.3%と伸びは鈍ったが、8四半期連続で増加しており、水準も2006年1~3月期以来の高さに達した。政府消費は同+0.5%と着実に増加している。以上の結果、内需の前期比寄与度は+0.8%となり、景気全体を押し上げた。


一方、外需の前期比寄与度は2四半期連続でマイナスとなり、マイナス幅も7~9月期と同じ-0.5%と大きめの落ち込みが続いた。輸出が、海外景気の回復ペースの鈍さを反映して前期比+0.4%と小幅の増加にとどまった一方、輸入は同+3.5%と順調に増加した。輸入は消費税率引き上げ前の駆け込み需要に対応して増加している可能性がある。


名目GDP成長率も前期比+0.4%(年率換算+1.6%)と5四半期連続でプラスとなった。また、経済全体の総合的な物価動向を示すGDPデフレーターは、前年比-0.4%と7~9月期と同じマイナス幅となった。ただし、円安で輸入デフレーターが急上昇したことによって押し下げられており(輸入デフレーターは同+13.8%)、内需デフレーターでみると同+0.5%と2四半期連続でプラスとなった。住宅投資、設備投資、公共投資といった総固定資本形成のデフレーターが前年比+1.8%とプラス幅が拡大していることに加え、個人消費デフレーターが同+0.6%と伸び率が高まりつつあることが原因である。エネルギーや建設資材の価格上昇、建設業界での人手不足と賃金上昇、円安による輸入物価の上昇といった影響が物価全体に徐々に浸透している。


2014年1~3月期は、消費税率引き上げ前の駆け込み需要がさらに強まると予想され、個人消費を中心に実質GDP成長率の伸びは一段と高まる可能性が強い。また、設備投資も先行する機械受注(船舶・電力を除く民需)が堅調に増加しており、今後も増加傾向が維持される可能性がある。しかし、足元で弱まっている輸出の回復が遅れるようであれば、駆け込み需要の反動減と合わせて4~6月期の落ち込み幅が拡大し、その後の景気持ち直しの勢いも弱くなってしまう懸念がある。また、デフレーターの伸びがさらに高まることになれば、消費税率引き上げ後の上昇分と合わせて、実質GDPの伸びの抑制する要因となる。


全文紹介 前のページへもどる

ページの先頭へ

1234567890