2014年1~3月期のGDP(2次速報)結果
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2014/06/09
調査部 小林 真一郎


本日発表された2014年1~3月期の実質GDP成長率(2次速報)は前期比+1.6%(年率+6.7%)と1次速報値の同+1.5%(年率換算+5.9%)から上方修正された。名目成長率も、同+1.2%(年率+5.1%)から同+1.4%(年率+5.7%)に上方修正され、GDPデフレーターは前年同期比横ばいから同-0.1%に小幅下方修正された。一方、2013年度の実質GDP成長率は前年比+2.3%のまま据え置かれた。


需要項目別に1次速報からの修正状況をみていくと、個人消費は非耐久財やサービスへの支出が上方修正されたことにより前期比+2.1%から同+2.2%へ小幅上方修正され、住宅投資は同+3.1%のまま修正はなかった。設備投資は、1次速報時点では公表されていなかった法人企業統計調査の結果などを踏まえて、前期比+4.9%から同+7.6%に大きく上方修正された。また、在庫投資は、同様に法人企業統計の結果に基づいて仕掛品在庫、原材料在庫の状況が反映された結果、前期比への寄与度は-0.2%から-0.5%に大きく下方修正された。政府最終消費は前期比+0.1%のまま据え置きとなり、公共投資は同-2.4%から同-2.7%に若干下方修正された。


以上の結果、内需の前期比寄与度は、1次速報の前期比+1.7%から+同1.9%に上方修正された。一方、外需の前期比寄与度は同-0.3%のまま据え置きとなった。個別の動きをみても、輸出が前期比+6.0%、輸入が同+6.3%と1次速報値から修正されなかった。


今回の2次速報の結果は、企業部門で修正幅がやや大きかったものの、民需全体での修正幅は小幅であったほか、その他の項目の修正は小幅にとどまっており、年度末にかけて消費税率引き上げを控えた駆け込み需要が、景気を一時的に大きく押し上げたとの評価に大きな変更はない。


2014年4~6月期は、需要を先食いした反動によって家計部門を中心に調整の動きが強まり、一時的にマイナス成長に転じることは避けられない。消費税率が引き上げられて2カ月が経過し、増税の影響が徐々に明らかになってきたが、個人消費は予想通り大きく落ち込んでいる。4月の百貨店販売や同月の家計調査の消費支出が軒並み悪化しているほか、5月の新車登録台数も2カ月連続で前年比マイナスとなっている。これに対し、百貨店売上高などは増税直後の落ち込みから次第に持ち直しているとされており、外食やコンビニエンスストアの売上は増税後も底堅さを維持しており、落ち込み幅は想定の範囲内に収まっているとする業界の見方もある。しかし、今後順調に持ち直してくるかどうかまでは判断できず、増税後の個人消費の実力については、5月以降の数字もみて慎重に判断する必要があるだろう。


一方、雇用情勢の改善が続いていることは、増税後の景気にとって明るい材料である。4月の完全失業率も3月と同水準の3.6%と低い状態が続き、同月の有効求人倍率も5ヶ月連続で1倍を上回っている。しかし、こうした改善の動きが賃金を大きく上昇させるまでには、未だ至っていない。4月の一人当たり現金給与総額は前年比+0.9%と2ヶ月連続で増加したものの、所定外給与(同+5.1%)と特別給与(同+20.5%)の急増が原因であり、春闘でのベア復活によって増加が期待された所定内給与(前年比-0.2%)は減少が続いている。5月以降、遡ってベアを支給する企業があると考えられ、所定内給与が今後増加に転じる可能性はある。しかし、3月中の駆け込み需要に対応するために残業時間が増加したことや、それに対して特別手当が支給されたことで一時的に増加したことが大きかったと考えられ、今後はこうした一時的な効果は剥落する。しかも、4月の消費者物価指数(除く生鮮食品)が前年比+3.2%(日銀の試算による消費税を除くベースでは同+1.5%)と急上昇したことを受けて、実質ベースでは前年比-3.1%と大幅に減少している。こうした実質賃金の落ち込みが、個人消費を長期間にわたって抑制するリスクはある。


企業業績の改善を背景に設備投資の回復に力強さが出てきたことに加え、海外経済の持ち直しを背景に輸出が増加すると期待されることから、7~9月期にはプラス成長に転じると考えられ、増税後に景気が後退局面に陥るリスクは小さい。中でも米国の景気は、寒波の影響によって一時的に1~3月期にマイナス成長に陥ったものの、その後は順調に持ち直しており、株価も史上最高値を更新中である。


しかし、4月の実質輸出は前月比+1.3%と、均してみると横ばい圏から抜け出せていない。このまま輸出の低迷が続くようであれば、内需の低迷を補うことができず、景気の持ち直しのタイミングが後ずれするリスクが出てくる。


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