2014年10~12月期GDP(1次速報)の結果
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2015/02/16
調査部 小林 真一郎


本日公表された2014年10~12月期の実質GDP成長率は、前期比+0.6%(年率換算+2.2%)と3四半期ぶりにプラスに転じた。ただし、民需の伸びが小幅にとどまるなど、景気は持ち直しに転じた後も、その勢いは力強さに欠けている。


個人消費は、7~9月期の前期比+0.3%に続き、同+0.3%と2四半期連続で増加したものの、増加ペースは弱いままである。消費税率引き上げ後の反動減の影響が薄らぎ、耐久財の伸びが同+0.7%と3四半期ぶりにプラスに転じたが、反発力は弱く、ほぼ底ばいに近い動きにとどまっている。サービスの伸びも同+0.5%と3四半期ぶりのプラスとなったが、依然として水準は低く、半耐久財(前期比-0.4%)、非耐久財(同+0.1%)の動きも冴えない。実質雇用者報酬が前期比+0.1%と伸び悩んでいることが、引き続き実質個人消費の伸びを抑制する要因となっていると考えられる。住宅投資も、駆け込み需要の反動減による落ち込みが続いており、同-1.2%と3四半期連続で減少した。


企業部門では、設備投資の伸びが3四半期ぶりにプラスに転じたが、伸び率は前期比+0.1%とほぼ横ばいにとどまっている。大企業を中心に業績が改善しており、手元キャッシュフローは潤沢であると考えられるものの、企業の設備投資に対する姿勢は慎重なままである。また、在庫投資の実質GDP成長率に対する前期比寄与度は+0.2%と7~9月期に急減した反動もあって、成長率の押し上げに寄与した。企業の在庫調整は進んでいるが、調整ペースがやや鈍ったようである。


民需全体の前期比寄与度は+0.3%と駆け込み需要で盛り上がった1~3月期以来のプラスとなったが、そのうち在庫増加の寄与が+0.2%であり、持ち直しのペースは極めて弱い状態にあるといえる。加えて、公的部門の前期比寄与度も同+0.0%と小さく、成長率の押し上げにはあまり寄与していない。2013年度の経済対策の押し上げ効果が薄らいできていることなどから、公共投資が前期比+0.6%と小幅の増加にとどまったほか、政府消費も前期比+0.1%に伸びが鈍化した。このように、民需、公需ともに弱い動きとなったため、内需の前期比寄与度は+0.3%にとどまった。


輸出は、海外景気の持ち直しが続いていることや、円安が定着化していることなどを背景に、前期比+2.7%と伸び率が拡大した。このため、内需の弱さを反映して輸入が同+1.3%と輸出の伸びを下回ったこともあり、外需の前期比寄与度は+0.2%と3四半期連続でプラスとなり、プラス幅も前期からやや拡大した。


名目GDP成長率は前期比+1.1%(年率換算+4.5%)と2四半期ぶりにプラスとなった。経済全体の総合的な物価動向を示すGDPデフレーターは前年比で+2.3%と、消費税率引き上げの影響で高い伸びが続いている(前期比では+0.5%)。


10~12月の実質GDP成長率は、景気がすでに最悪期を脱し、持ち直しに転じているものの、そのペースは緩やかにとどまることを示す結果となった。今後も前期比でプラス成長が続くと予想されるものの、持ち直しペースが高まってくるかどうかは、個人消費と設備投資の民需の回復力によるところが大きい。その意味では、今後の企業動向が重要な鍵を握っているといえる。すなわち、企業業績は大企業を中心に順調に改善しているが、その恩恵が雇用の増加や賃金の上昇を通じて家計にまで及んでいくのか、また、企業が潤沢な手元キャッシュフローをどの程度、国内の設備投資に振り向けるかがポイントになるであろう。さらに、家計の実質所得の動向を判断するうえでは、春闘の行方とともに、原油の下落による物価の押し下げ効果と円安による物価の押し上げ効果の大きさも重要である。


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