2015年4~6月期GDP(1次速報)の結果
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2015/08/17
調査部 小林 真一郎


本日公表された2015年4~6月期の実質GDP成長率は、前期比-0.4%(年率換算-1.6%)と3四半期ぶりにマイナス成長に転じた。景気の持ち直しが一服していることを裏付ける結果であり、民需、外需とも前期比マイナスに陥っているなど内容も厳しい。


個人消費は、前期比-0.8%と4四半期ぶりに減少した。天候不順や軽自動車税の引き上げといった要因もあるが、円安を反映して食料品など身近な商品の価格上昇が続いており、賃金が増加する中にあっても、消費者がその実感を得られないことが消費を冷え込ませている可能性がある。雇用者報酬は名目では同+0.2%と増加しているが、名目では同-0.2%と減少している。住宅投資は、駆け込み需要の反動減からの持ち直しが続いており、同+1.9%と2四半期連続でプラスとなった。


企業部門では、設備投資が前期比-0.1%とほぼ横ばいにとどまった。大企業を中心に業績が順調に改善しており、手元キャッシュフローは潤沢であるものの、企業の設備投資に対する姿勢は慎重なままである。また、在庫投資の実質GDP成長率に対する前期比寄与度は、製品在庫を中心として+0.1%と2四半期連続でプラスとなった。製造業では在庫調整の動きが強まり、生産の抑制要因となっているが、内外需要の弱さを受けて意図せざる在庫が積み上がっている。今後も在庫調整の動きは続くと予想され、成長率とってはマイナス要因を先送りした形となっている。


民需全体の前期比寄与度は-0.4%と1~3月期の+1.2%から一転してマイナスに落ち込んだ。一方、公的部門の前期比寄与度は同+0.2%と公共投資(同+2.6%)、政府消費(同+0.4%)ともにプラスとなったが、寄与度は同+0.2%にとどまり、民需の落ち込みをカバーすることはできなかった。この結果、内需の前期比寄与度は-0.1%となった。


輸出は前期比-4.4%と大きく落ち込んだ。米国向けや中国を中心としたアジア向け輸出が弱含んでおり、6四半期ぶりにマイナスに転じた。一方、輸入も内需の弱含みによって同-2.6%と減少したものの、輸出の落ち込み幅の方が大きく、外需の前期比寄与度は-0.3%と4四半ぶりにマイナスとなった。なお、外国人観光客の国内での消費(サービス輸出)は前期比+6.1%と堅調に増加しているものの、輸出全体への寄与は小幅であった。


名目GDP成長率は前期比横ばい(年率換算+0.1%)となった。また、経済全体の総合的な物価動向を示すGDPデフレーターは前年比+1.6%と、消費税率引き上げの影響が一巡したことから伸びが急速に縮小した(前期比では+0.4%)。


7~9月期以降については、実質GDP成長率はプラスに転じ、景気は再び持ち直していくと予想される。雇用や所得情勢が良好な状態にあることや、猛暑効果の追い風を背景に、個人消費はプラスに転じると期待される。また、企業業績が好調なことから判断すると、設備投資もプラス基調を強めて行くであろう。足元で急減した輸出も、欧米を中心として持ち直してくると考えられる。


しかし、価格の上昇やマインドの改善の遅れを背景に個人消費の持ち直しペースが緩やかにとどまる可能性があることや、積み上がった在庫を調整する圧力が高まって成長率を抑制することから、7~9月期以降の実質GDP成長率は低い伸びにとどまる懸念がある。特に、中国を中心に海外景気が低迷した場合には、輸出の落ち込みが続き、景気が下振れるリスクが出てくる。


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