2015年4~6月期GDP(2次速報)の結果
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2015/09/08
調査部 小林 真一郎


本日発表された2015年4~6月期の実質GDP成長率(2次速報)は前期比-0.3%(年率換算-1.2%)と1次速報の同-0.4%(同-1.6%)から小幅に上方修正された。しかし、内容はむしろ悪化している。名目成長率も前期比+0.0%(同+0.1%)から同+0.1%(同+0.2%)に上方修正され、GDPデフレーターは前年同期比+1.6%から同+1.5%に下方修正された。


需要項目別に1次速報からの修正状況をみていくと、個人消費は前期比-0.8から同-0.7%に若干上方修正されたが、厳しい状況に変わりはない。住宅投資は前期比+1.9%から修正はなかった。設備投資は、1次速報時点では公表されていなかった法人企業統計調査で前期比-2.7%と減少していたことなどが反映されて前期比-0.1%から同-0.9%に下方修正され、足元で設備投資が弱含んでいることが明確となった。また、在庫投資は、同様に法人企業統計の結果に基づいて仕掛品在庫、原材料在庫の状況が反映された結果、前期比への寄与度は+0.1%から+0.3%にさらに上方修正された。政府部門では、政府最終消費は前期比+0.4%から同+0.5%に上方修正され、公共投資は同+2.6%から同+2.1%に下方修正された。


以上の結果、内需の前期比寄与度は-0.1%から-0.0%に若干上方修正された。一方、外需の前期比寄与度は同-0.3%のまま据え置きとなった。個別の動きをみても修正はなく、輸出は前期比-4.4%のまま、輸入は同-2.6%のまま据え置かれた。


今回の2次速報の結果は、全体の数字が上方修正されたとはいえ、需要の低迷を背景に積み上がっている在庫がさらに積み増されたことが主因であり、今後は在庫調整合圧力が強まって生産を抑制する可能性が高いことを勘案すると、中身はむしろ悪化していると判断される。在庫投資については、生産者段階での原材料在庫や製品在庫だけでなく、小売店の店頭などにおける流通在庫についても増加している。


7~9月期については、好調な企業業績を背景に設備投資が増加すると期待されるほか、個人消費や輸出も大きく落ち込んだ後の反動も加わって増加し、実質GDP成長率はプラスに転じると予測される。しかし、家計調査、貿易統計など、7月の月次の経済指標の数字は弱く、個人消費、輸出ともに足元で順調に持ち直してきているわけではない。6、7月の毎月勤労統計の結果は夏のボーナス支給額が前年水準を下回った可能性を示唆しており、家計の節約志向が一段と強まり、個人消費の低迷が続くリスクがある。また、新興国や資源国を中心に海外景気の先行き不透明感が強まりつつあり、今後も輸出が弱含みで推移することになりかねない。加えて、2四半期連続でプラスに寄与した在庫投資がマイナス寄与に転じることは確実と考えられ、企業が在庫調整を急げば、マイナス幅が拡大することも想定される。こうした状況から判断すると、7~9月期の実質GDP成長率は、プラスに転じたとしても伸び率は小さくなる可能性がある。


現在の景気は横ばい圏で推移していると考えられるが、今後の個人消費や輸出の動向次第では、さらに下振れるリスクも念頭に置いておく必要があるだろう。


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