景気ウォッチャー調査(東海地区:2016年5月) ~ 現状判断DIは2ヶ月連続で低下、10ヶ月連続の50割れ ~
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2016/06/08
調査部 鈴木 明彦 塚田 裕昭 杉本 宗之


○6月8日に内閣府が公表した「景気ウォッチャー調査」によると、東海地区の5月の現状判断DI(3ヶ月前と比較しての景気の現状に対する判断:各分野計)は、前月差2.5ポイント低下の42.2と2ヶ月連続で低下し、横ばいを示す50を10ヶ月連続で下回った。家計動向関連(小売、飲食、サービス、住宅関連)DIは、同3.0ポイント低下の41.6と2ヶ月連続で低下し、横ばいを示す50を10ヶ月連続で下回っている。企業動向関連と雇用関連からなるDIは、同1.4ポイント低下の43.4と2ヶ月連続で低下し、横ばいを示す50を2ヶ月連続で下回った(注1)。



5月の先行き判断DIは、前月差3.4ポイント上昇の48.2と4ヶ月ぶりに上昇したが、横ばいを示す50を4ヶ月連続で下回った。また、家計動向関連のウォッチャーによる景気の先行き判断DIは、同3.2ポイント上昇の47.3と、4ヶ月ぶりに上昇したが、横ばいを示す50を4ヶ月連続で下回った。企業動向・雇用関連のウォッチャーによる景気の先行き判断DIは、同3.8ポイント上昇の50.0と、2ヶ月ぶりに上昇した。



現在の景気の水準自体に対する判断DI(各分野計)は、5月は前月差3.1ポイント低下の39.6と、2ヶ月連続で低下し、中立を示す50を10ヶ月連続で下回った。家計動向関連のウォッチャーによる景気の水準自体に対する判断DIは、同5.7ポイント低下の36.0と、2ヶ月連続で低下し、中立を示す50を26ヶ月連続で下回っている。企業動向・雇用関連のウォッチャーによる景気の水準自体に対する判断DIは、同1.9ポイント上昇の46.7と、4ヶ月ぶりに上昇したが、中立を示す50を2ヶ月連続で下回った。



○内閣府では、全国調査での景気ウォッチャーの見方として「景気は、引き続き弱さがみられ、熊本地震によるマインド面の下押し圧力が未だ残っている。先行きについては、販売価格が引き上げられない中で原材料価格が上昇する等、物価動向への懸念がある一方、熊本地震からの復興、夏のボーナスや設備投資増加への期待がみられる」とまとめ、現状については前月の判断を基本的に維持する一方で、先行きについては判断を上げている。
(4月のまとめ)「景気は、消費動向等への懸念に加え、熊本地震によるマインド面の下押しもあり、引き続き弱さがみられる。先行きについては、観光需要や設備投資増加への期待等がある一方、熊本地震に伴う先行き懸念が多く表明されていることから、今後の動向が、企業、家計のマインド等に与える影響に留意する必要がある」


○東海経済については、「景気は弱い動きが続いている。家計動向関連は節約志向も影響して単価の下落が続くなど低調である。企業動向・雇用関連では、4月の熊本地震や大手自動車メーカーの燃費不正問題が自動車生産を中心にマイナス要因となっている。先行きについては、熊本地震の影響一服による改善が期待されている。また、消費増税の再延期がプラス材料という評価もあるが、懐疑的な見方もある。」とまとめられる。
(4月のまとめ)「景気は、家計動向関連を中心に弱い動きが続いてきたが、4月の熊本地震の影響で企業動向・雇用関連でも悪化している。先行きについては、伊勢志摩サミットに対する期待が続いているが、円高、消費増税の有無などが不安材料となっている。熊本地震の影響については、その広がりが懸念される一方で、マイナスの影響は徐々に薄らいでいくとの期待も出ている」


○景気の現状判断DIは2ヶ月連続で低下し、横ばいを示す50を10ヶ月連続で下回った。家計動向関連の現状判断も2ヶ月連続で低下、10ヶ月連続で横ばいを示す50を下回り、弱い動きが続いている。節約志向も影響した単価の下落が指摘される中、インバウンド消費や富裕層の消費にも陰りがみられ、家計動向関連は低調である。期待された伊勢志摩サミットも全体を押し上げるような効果は無かった。また、企業動向・雇用関連の現状判断は2ヶ月連続で低下し、横ばいを示す50を2ヶ月連続で下回った。熊本地震や大手自動車メーカーの燃費不正問題が自動車生産を中心にマイナスに影響している。


○景気の先行き判断DIは4ヶ月ぶりに上昇したが、横ばいを示す50を4ヶ月連続で下回った。家計動向関連の先行き判断も同様の動きとなっている。消費増税再延期によるマインドの改善に期待する見方がある一方、インバウンドの先行きが懸念され、増税再延期の効果に懐疑的な見方も多い。企業動向・雇用関連は2ヶ月ぶりにDIが上昇し、横ばいを示す50となった。当地は自動車産業を中心に熊本地震の影響を比較的強く受けていたことから、熊本地震の影響一服による改善を期待する見方がDIを押し上げた。


(注1)企業動向関連と雇用関連からなるDIは、内閣府HPに掲載されている地域別の各分野合計値から家計動向関連の値を除いた上で、「景気ウォッチャー調査」のDI算出方法に従って当社調査部にて試算した。


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