景気ウォッチャー調査(東海地区:2016年11月) ~ 現状判断DIはほぼ横ばい。他地域に比べ改善の勢いは弱い~
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2016/12/08
調査部 鈴木 明彦 塚田 裕昭 杉本 宗之


○12月8日に内閣府が公表した「景気ウォッチャー調査」によると、東海地区の11月の現状判断DI(3ヶ月前と比較しての景気の現状に対する判断 ※季節調整値)は、前月差0.1ポイント上昇の49.6とほぼ横ばいとなった。全国、他地域と比べて上昇幅が小幅となっている。原数値では46.0と前月から0.4ポイント低下した。分野別(原数値)にみると、家計動向関連(小売、飲食、サービス、住宅関連)DIは、同0.2ポイント低下の44.0と2ヶ月ぶりに低下し、横ばいを示す50を16ヶ月連続で下回った。企業動向関連と雇用関連からなるDIは、同0.6ポイント低下の50.0と2ヶ月ぶりに低下したが、横ばいを示す50を維持した(注1)。



11月の先行き判断DI(2~3ヶ月先の景気の先行きに対する判断 ※季節調整値)は、前月差0.5ポイント低下の51.6と2ヶ月ぶりに低下した。全国11地域中8地域が上昇する中、東海のDIは低下した。原数値では48.2と前月から1.2ポイント低下した。分野別(原数値)にみると、家計動向関連のウォッチャーによる景気の先行き判断DIは、同2.0ポイント低下の46.7と2ヶ月ぶりに低下し、横ばいを示す50を10ヶ月連続で下回った。企業動向・雇用関連のウォッチャーによる景気の先行き判断DIは、同0.4ポイント上昇の51.0と5ヶ月連続で上昇し、横ばいを示す50を2ヶ月連続で上回った。



現在の景気の水準自体に対する判断DI(季節調整値)は、11月は前月差2.2ポイント上昇の48.9と2ヶ月連続で上昇した。原数値では44.6と前月から0.5ポイント上昇した。分野別(原数値)にみると、家計動向関連のウォッチャーによる景気の水準自体に対する判断DIは、同1.0ポイント上昇の40.7と2ヶ月連続で上昇したが、中立を示す50を32ヶ月連続で下回った。企業動向・雇用関連のウォッチャーによる景気の水準自体に対する判断DIは、同0.6ポイント低下の52.2と3ヶ月ぶりに低下し、中立を示す50を2ヶ月連続で上回った。



○内閣府では、全国調査での景気ウォッチャーの見方として「着実に持ち直している。先行きについては、海外情勢の不透明感への懸念がある一方、設備投資や求人増加の継続等への期待がみられる」とまとめ、先月の判断をやや上方修正している。
(10月のまとめ)「持ち直している。先行きについては、一部には燃料価格などコストの上昇等への懸念があるものの、受注や求人増加の継続等への期待がみられる」


○東海経済についての東海地区の景気ウォッチャーの見方は「景気に持ち直しの動きが出ているが、弱さが残る。家計動向関連では天候に恵まれた季節需要の拡大、企業動向・雇用関連では円安・株高の進展がプラス材料だが、節約志向、収益環境の厳しさが持ち直しの動きを弱めている。先行きについては、円安や株高の継続が期待されるが、米新大統領の政策は不透明である。また、人手不足や原材料価格上昇が引き続き懸念材料となっている」とまとめられる。
(10月のまとめ)「景気に弱さが残るものの、持ち直しの動きが出ている。家計動向関連では天候不順の落ち着き、企業動向・雇用関連では世界情勢、為替や株式市場の落ち着きが安定要因となっている。先行きについては、天候や世界経済・金融市場で波乱が無いことを前提に、持ち直しが期待されている」


○景気の現状判断DI(季節調整値)は5ヶ月連続で上昇し、昨年12月調査以来の水準にまで戻っている。原数値では46.0と前月から0.4ポイント低下した。分野別(原数値)にみると、家計動向関連の現状判断は2ヶ月ぶりに低下し、横ばいを示す50を16ヶ月連続で下回り、弱い動きが続いている。家計動向関連では、気温の低下による季節商品の販売拡大、株高による高額商品の販売増加などがプラス材料となったものの、家計の低価格・節約志向を背景に弱い動きが続いている。企業動向・雇用関連の現状判断は2ヶ月ぶりに低下したが、横ばいを示す50を維持した。円安・株高の進展がマインドを改善させているものの、販売価格の低下やコストの増加により収益環境は厳しい状態が続いている。


○景気の先行き判断DI(季節調整値)は2ヶ月ぶりに低下し、全国に比べてやや低い水準となっている。原数値では48.2と前月から1.2ポイント低下した。分野別(原数値)にみると、家計動向関連の先行き判断は2ヶ月ぶりに低下し、横ばいを示す50を10ヶ月連続で下回った。企業動向・雇用関連のDIは5ヶ月連続で上昇し、横ばいを示す50を2ヶ月連続で上回った。家計動向関連では年末年始、年度末などの需要増や円安・株高の継続に対する期待があるが、先行きに対する不透明感が強く慎重な見方が続いている。企業動向・雇用関連でも、円安の継続を期待する声が強いが、米新大統領の政策には不確定要素が多く、先行きの不透明感がリスクとして認識されている。また、人手不足や原材料価格の上昇などによる先行きの収益圧迫が懸念されている。


(注1)企業動向関連と雇用関連からなるDI(原数値)は、内閣府HPに掲載されている地域別の各分野合計値から家計動向関連の値を除いた上で、「景気ウォッチャー調査」のDI算出方法に従って当社調査部にて試算した。


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