「消費落ち込み『想定内』」がもたらすもの

2014/05/07

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経済・社会政策部 片岡剛士

今年の4月1日から消費税が8%に引き上げられて1カ月が経過した。4月第1週時点の企業の反応についての報道を見ると、ファミリーマートやローソンといった日常生活で必要な商品を主に扱うコンビニエンスストアにおいては消費税増税に伴う売り上げの減少はあるものの、大きなインパクトは生じておらず、高島屋といった百貨店では特に宝飾品や美術品、輸入ブランド品といった高額商品ほど影響が大きく、今年下半期も影響はゼロではないとの報道がなされた。これは耐久財や高額商品ほど駆け込み需要の影響が深刻であるという増税前からの判断を裏付ける結果である。

だが増税から1カ月が経過した5月2日の日本経済新聞一面では、「消費落ち込み「想定内」」と題して、4月1日の消費税増税による個人消費の落ち込みについて企業が想定した範囲内にとどまるとの見方が増えていると報じている。増税直後に約2割落ち込んだ百貨店の売上高は約1割減まで復調し、スーパーなど日用品を扱う店舗では前年を上回り始めた企業もある。日本経済新聞社が実施した調査によれば、主要小売業の8割超が6月ごろには売上高が回復するとみているとのことである。

こうした見方は本当に正しいのだろうか?そして前回(97年4月)の増税時の経済状況の評価と照らした場合に、こうしたポジティブともとれる現時点の評価をどのように考えたらよいのだろうか?

本稿では各種データの動きを前回増税時と比較しながら特徴をまとめ、あわせて消費税増税に伴う駆け込み需要の程度を、現状明らかとなっている統計データから把握する。さらに前回増税時における経済情勢の評価の変遷の経緯から、いくつかの留意点を述べることにしたい。

■前回消費税増税時と今回増税時の比較-株価・為替レート

■前回消費税増税時と今回増税時の比較-景気動向指数

■前回消費税増税時と今回増税時の比較-家計消費

■前回消費税増税時と今回増税時の比較-住宅投資

■前回消費税増税時と今回増税時の比較-出荷・在庫

■前回消費税増税時と今回増税時の比較-賃金・雇用・物価

■駆け込み需要の規模はどの程度か?

■「想定内」という評価の意味するものとは

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