子どもを持ちたいと考える人の希望が叶う社会をつくるために

2015/06/29
研究開発部(名古屋) 主任研究員 岩室 秀典

出生数の減少がはじまる

第三次ベビーブームは訪れませんでした。これからは、都市部においても出生数の減少が始まり、子どもの数が減少し、そして人口が減少していく、本格的な人口減少社会に入っていきます。

国民希望出生率は1.8

人口を維持するためには、合計特殊出生率(1人の女性が生涯で産む子どもの平均人数)が2.07程度必要ですが、厚生労働省によると平成26年の我が国の合計特殊出生率は1.42にとどまっています。まち・ひと・しごと創生本部によると、子どもを持ちたいと考える人の希望が叶った合計特殊出生率(国民希望出生率)は1.8程度と試算され、この人たちの希望が叶う社会をつくることが重要です。

若い世代に向けた総合的な支援

子どもを持ちたいと考える人の希望が叶う社会を作るためには、若い世代に対して、家庭生活の基本となる安定した就労の実現、パートナーをみつけることの支援(婚活支援)、子育ての負担感を和らげること(育児支援)が必要です。また、行政が教育・保育事業や子育て支援策の充実を図ることだけでは不十分で、家庭内・親族・隣近所での助け合い、企業等のワーク・ライフ・バランスの推進など、社会全体としての支援が不可欠です。なお、子育ての負担感としては教育資金などの経済的な負担が最上位となっており、少々の手当の充実では効果は期待できません。女性の就業意欲の高さや、人口減少社会で働き手が不足することなどから、夫婦共働きを基本とした社会をつくっていくことが必須と考えます。

子どもを持つ家庭にメリットが多い社会への変革

産む産まないは個人の選択ですが、急激な人口減少は社会経済に大きな影響を与えます。公共財としての子どもの価値が高まっていることを鑑み、子どもを持つ家庭にメリットの多い社会に変革していくのです。人口は中期的にしか変化しないという特徴があり、早く取り組めば取り組むほど、マイナスの影響を軽減することができるため、迅速な対応が求められています。

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