なぜ、いま、生物多様性か? ~生物多様性特集(2)~
全文紹介

2012/02/01
研究開発第2部(大阪) 主任研究員 永井 克治

COP10が開催された1年前に比べ、「生物多様性」が話題となる頻度が少なくなっている。限られた関係者の間では、着実に生物多様性の研究や関連する施策・ビジネスの推進などが進められているものの、一般市民や大半の事業者にとっては、ほとんど関係のないものとして取り扱われている感が否めない。
本稿では、なぜ生物多様性が注目されていないかを紐解いた上で、それでもなお重要性を増す生物多様性が環境問題の主流であるべき理由と推進のポイントを示す。

【概 要】

  • 「生物多様性」とは、一般に、遺伝子、種、生態系の3つの階層のそれぞれの多様性、およびそれらが複雑につながっている状態と定義される。
  • 生物多様性が環境問題の主流であるべき理由は、以下の3つと考えられる。
    • 「生物多様性」の身近性(五感で感じることができる最も身近なものである)
    • 「生物多様性」の広範性(他の環境問題を包含した最も広範囲である)
    • 「生物多様性」の難解性(生物多様性の社会を実現するためには解明すべき研究課題が多く、上記の広範性も相まって解決が最も難しい)
  • 生物多様性を環境問題の主流に位置づけるためには、自然科学、社会科学の両面から、生物多様性のしくみや評価の方法などについて、さらなる研究が進められていくことが必要であり、その上で、ビジネスや制度に組み込んでいく必要がある。その際、地球温暖化防止が辿ったステップが参考になる。
  • 真の生物多様性の時代の到来を確実なものにするために、先導的する地域が必要であると考えられる。そこで、生物多様性のポテンシャルが高く生物多様性の先進地になっている関西が、その担い手として全国へ発信していくことにより、わが国に真の生物多様性の時代が到来することが期待される。
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