我が国におけるエネルギー自治の実現に向けた基礎調査(1)エネルギーシステムを巡る社会的文脈と変革へのアプローチについての日独比較
全文紹介

2012/03/13
政策研究事業本部 東京本部 環境・エネルギー部 副主任研究員 相川高信、準研究員 淺田陽子

【概 要】

  • 東日本大震災を契機として、日本においてもエネルギーシステムの見直しの機運が高まっており、本稿でも日独比較を通じて、「エネルギーの自治」実現の前提となる社会的な文脈と変革へのアプローチの比較を行った。
  • 社会的な文脈として、日独はエネルギー資源を海外に依存している点では共通であるが、ドイツでは経済成長とエネルギー成長とのデカップリング」を明確にし、再生可能エネルギーの導入やエネルギーシステムの変革を経済成長のエンジンとして捉えている。
  • また、ドイツにおけるエネルギーシステム変革のアプローチの特色としては、「複合的な視点」を挙げることができる。
  • これらの比較結果から、日本における地域レベルでのエネルギー自治の実現のためにインプリケーションとして、以下の2点を指摘した。
【地域エネルギーシステムの全体設計】
気候温暖化対策・エネルギー対策として、地域の土地利用計画を活用し、車交通の抑制や環境配慮型交通の推進、省エネとエネルギー供給の高効率化などを実現することが重要である。震災被災地では、高台移転住宅などにおいて、部局横断的な協力のもと、地域熱供給システムを導入するプロジェクトなどが試金石となる。
【有時と平時の連続性】
地域における分散型のエネルギーシステムを日常的に運転し、保守・点検のできる人材の存在が不可欠であり、つまり地域において専門家の雇用を創出・確保しておくことが重要である。
  • 最後に、震災被災地の再生可能エネルギーの導入事業の進捗を考えた時に、日本全体の経験の少なさから、時間を要し困難を伴うのは当然であり、むしろ今回の震災復興の経験を通じて、「複合的な」視点」を持った専門家を地域へ配置していくという、人的資本・社会関係資本への投資に繋げることができれば、長期的な日本の再生に資することになるだろう。
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