名古屋の新成長センターを生み出した交通プロジェクト ~名二環・国道302号の開通、桜通線延伸開業の経済波及効果分析~
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2012/03/26
政策研究事業本部 名古屋本部 研究開発部 部長 兼 主席研究員 加藤 義人
主任研究員 佐藤 尚
副主任研究員 右近 崇

三菱UFJフィナンシャル・グループの総合シンクタンクである三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(本社:東京都港区 社長:水野 俊秀)は、名古屋第二環状自動車道・一般国道302号(以下、名二環・国道302号)及び地下鉄桜通線が2011 年3 月に相次いで開通・延伸開業し、まもなく1 年を迎えることから、開通前後のデータに基づき、これら交通プロジェクトがもたらしている経済効果分析の結果をまとめました。

【調査結果の概要】

名二環・国道302号の開通及び地下鉄桜通線の延伸開業により、名古屋市の東南部地域を中心とする約20km四方のエリアは以下のように住宅地の地価及び土地の資産価値が上昇した。

【住宅地価上昇】

名二環・国道302号開通による影響は、道路のネットワーク効果が発揮され、供用区間の沿線を中心として広域的に地価上昇をもたらした。一方で、桜通線延伸開業による影響は、特に延伸区間の駅周辺において顕著な地価上昇をもたらした。
また、名二環・国道302号と桜通線延伸の両方の影響は、クロスエリアにおいて平均で地価を19%押し上げていると推計された。このクロスエリアでは、実際の地価公示や都道府県地価調査でも、特に顕著な地価上昇を示している。

表1 【住宅地地価変化率】

約500m 四方のエリアを分析の最小地域単位とし、該当するエリアの地価変化率の平均を算出。

表1 【住宅地地価変化率】

表1 【住宅地地価変化率】

※土地の資産価値は、住宅地の地価で評価した試算値であり、住宅地地価に建物用地面積〔2006年時点〕を乗じて算出。
※資産価値変化額の集計範囲は分析対象地域の範囲内に限る。

 

【資産価格上昇】

名二環・国道302号の開通と桜通線延伸開業の両方の効果で、土地の資産価値が約5,200億円上昇すると推計された。

表2 【土地の資産価値変化額】

表2 【土地の資産価値変化額】

表2 【土地の資産価値変化額】

※土地の資産価値は、住宅地の地価で評価した試算値であり、住宅地地価に建物用地面積〔2006年時点〕を乗じて算出。
※資産価値変化額の集計範囲は分析対象地域の範囲内に限る。

当地域は、名二環や国道302号という都市圏環状道路と地下鉄延伸という2大交通プロジェクトの実現と連動し
て大規模な土地開発が進行し、土地市場における新たな価値が生まれた。その結果、人口増加や商業施設等の立地をもたらし、名古屋市の成長センターとして飛躍を遂げている。こうした経済活動の舞台としての評価が、地価上昇(土地の資産価値上昇)等の変化となって現れていると考えられる。換言すれば、交通プロジェクトの実施が地域・都市空間の魅力や質の向上を促し、活力を創出していると言え、交通基盤が都市の成長を促している側面が映し出されたものと考えている。

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