グローバル・リーダーズ レポ(1)日本の大学におけるグローバル化の今~多様化する留学生の出身国/留学生獲得と国際認証~
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2013/08/30
政策研究事業本部(大阪) 研究開発第2部 副主任研究員 小柴 巌和、研究員 戸田 佑也

【概要】
  • OECD「Education at a Glance」によると、2000年に全世界で約200万人であった留学生数は、2010年には400万を上回り、2025年には1,000万人を超すと推計されている。その内訳を見ても、欧米や日本等の一部の国・地域だけでなく、世界の様々な国・地域から留学生が海外に渡っていく様子が伺える。
  • また現在、全世界に存在する約400万人の留学生は、1か所の留学先における滞在期間をこれまで以上に短期化する傾向がみられると言われている。つまり、従来は、4年制の大学学部を卒業するために同じ大学において4年間学ぶことが一般的な留学の形であったが、今後は、1年間単位や1セメスター(3か月程度)単位で複数の国・大学を渡り歩くような留学生が増える可能性がある。
  • 一方、近年、留学生の獲得競争等の高等教育のグローバル化が進む中で、学部レベルだけでなく、大学院プログラムにおけるグローバル競争が激しさを増している。大学院レベルにおけるグローバル競争において優位性を発揮できない大学はグローバル化の流れの中でレピュテーションを高めることは難しくなる時代が目前に迫っている。
  • このような中、現在の日本の大学が抱えるグローバル化に向けた課題として、(1)国際認証を取得できていないこと、(2)海外の大学との良質なネットワークの構築が不十分であること、(3)学位授与に十分な英語講義実施や大学施設利用に関する英語サービス提供等が遅れていること、(4)留学生向けの生活環境の整備が不十分であること等の点が指摘されている。
  • 本稿では、このような現状を踏まえつつ、愛知県にある名古屋商科大学が留学生の獲得競争等のグローバル対応の一環として進めるビジネススクールの国際認証取得と、これを活用した中東からの留学生の受け入れ促進に関する取組事例について紹介したい。また中東から留学生を送り出す側の立場として、サウジアラビア王国からみた日本の大学のグローバル化対応に向けた取組に対する意見等を整理している。
  • 最後に、今後の日本の大学のグローバル化対応の方向性について、(1)国際認証を通じたグローバルネットワークの深化、(2)教育・研究から生活環境まで多様な領域における留学生の受け入れ環境整備の推進、(3)”グローバル・アジア”を意識した国際認証・国際ネットワークの推進の3点についてまとめている。
    ※「グローバル・リーダーズ レポ」では、グローバル・リーダーに関わる社会動向について継続的に情報をお届けいたします。
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