モノづくりベンチャーと地場産業の連携可能性~燕三条との連携による製品開発事例から見えてきたこと~
全文紹介

2015/02/20
経済・社会政策部 研究員 北 洋祐
モノづくりやってみようプロジェクト(モノP)実行委員会

【概要】
(本レポートの位置づけ)
  • モノづくりで起業する、いわゆる「モノづくりベンチャー」が話題となっているが、世間的な盛り上がりとは裏腹に、日本のモノづくりベンチャーを取り巻く環境は決して易しくはなく、実際にビジネスとして成立している事例はまだまだ少ない。
  • 弊社では、これらモノづくりベンチャーの製品開発・事業化におけるボトルネックを探り、それを政策的な手段で解決する方法を検討するため、実際に製品開発に取り組みながら調査を進めてきた。本レポートは、そのプロジェクトの経過と暫定的な結論(仮説)を取りまとめたものである。
(プロジェクトの概要・経過)
  • モノづくりの経験を持たない弊社研究員が、製品の企画・デザインから試作を経て、量産・事業化を目指すプロジェクト「モノP」を2014年6月に開始した。同年11月以降は、燕三条地場産業振興センター及び、燕三条のモノづくり企業と連携し、製品開発を進めている。また、2014年12月末には、クラウドソーシング事業者の株式会社クラウドワークスと連携してデザインコンペを実施。2015年2月現在、コンペで採用されたデザインの試作に取りかかっているところである。
(暫定的な結論)
  • 3D CAD、3Dプリンタ等の低価格化・高性能化や、クラウドソーシングの普及等によって、「モノづくりを始める」ことに対する敷居は年々低くなっている。しかし、本格的な試作・量産の段階では、生産技術や設備を保有する既存のモノづくり企業との連携が必要となる場合が多い。そして、それら連携先となるモノづくり企業は、全国各地に「地場産業」として存在している。
  • 既存のモノづくり企業にとって、モノづくりベンチャーとの連携はリスクを伴うものであり、連携を受け入れる企業は少ない。そのため、多くのモノづくりベンチャーは連携先企業を探すことに難航しており、これがボトルネックの1つとなっている。
  • 一方で、地場産業を形成している地域には、地元企業と緊密なネットワークを持つ公的機関・自治体・金融機関等が存在しており、これらが仲介役として間に入ることで、連携をスムーズにできる可能性がある。
  • さらに、これら仲介機関の機能を強化し、資金を集めて有望な案件に投資する仕組みや、モノづくりに伴う専門サービス事業者との連携を仲介する仕組みを作ることができれば、地域がモノづくりベンチャーの活躍の舞台となり、地場産業の振興にも繋がっていくと考えられる。
  • 昨今、様々な省庁や地方自治体において、地方創生関連の事業など地域活性化に関する検討が進められているが、モノづくり分野の地場産業を持つ地域では、このようなモノづくりベンチャー支援の仕組みを地域で構築していくことも検討に値するのではないか。
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