森林管理・林業経営への信託手法適応の意義と課題~施業提案から経営提案へ~
全文紹介

2016/05/30
環境・エネルギー部 主任研究員 相川 高信

【概要】

  • 現状の地方創生の取組は行政主導で行われ、政府からの交付金を原資としてプロジェクトが展開されるが、これらの取組を、自立的な発展へと離陸させていくためには、人材や金融面でどのように自立性を高め、かつ両者の関係性を再構築していくかが課題となる。
  • 地方創生の文脈でも注目が集まる森林・林業分野では、森林施業プランナーと呼ばれる技術者の育成が10年前から行われてきた。ただし、プランナーが行うのは、長い森林経営の瞬間的な一断面である「施業」にとどまってきたことから、一定以上の時間軸を組み込んだ「経営」へとステップアップさせていくことが必要だと思われる。
  • そのためには、森林・林業経営のあり方に対して強い影響力を持つ補助金を相対化することが必要であり、民間資金の調達を考えることが有効である。
  • ファイナンス手法の中では、転換機能を用いて財産の集約化/小口化を行えることができることから、信託が有望であると考えられた。
  • 信託は、日本の林業界ではこれまでも議論されていたが、実際に事業として取り組むことを目指す、信託会社も出現し、森林信託を現実のものとして検討する段階に来ていると考えられた。
  • ただし、森林信託の実現に向けた課題としては、経営のできる人材・事業体の育成、リスク管理、リスク配分の3点があると指摘された。
  • 森林信託に取り組むことで、①プランナー等林業人材のステージアップ、②地域の金融機関などこれまで関係のなかった主体との連携のきっかけ、③ゾーニングの精度向上と所有の再編の促進による国土保全への寄与、の3つの意義があると整理された。
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