今春の震災を契機にした新たなライフスタイルへの転換の可能性
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2011/07 (2011 Vol.3)
環境・エネルギー部 主任研究員 櫻井 仁

 今般の東日本大震災により、電力へのシフト、原子力へのシフトを強めていたわが国のエネルギー供給システムは見直しを余儀なくされた。
 今夏の電力不足の懸念を受け一律15%の節電が要請される中、今までとは異なる省エネルギー型のライフスタイルに転換する好機とも言える。
 本稿では、スイスが提唱する2000W社会、デンマークが目指す脱化石燃料消費社会、英国が提唱する「2050 Pathways」等を参考に、わが国が目指すべき2050年頃のエネルギー社会像を提示した。
 わが国が目指すべきエネルギー社会像
 ・供給エネルギー源はすべて、再生可能エネルギーとなっている。(脱原発、脱化石燃料)
 ・最終エネルギー消費量は、現在の半分以下となっている。
 ・地域単位でのエネルギー自給自足型社会が構築される等、エネルギーの地産地消が全国に普及している。
 ・家庭はZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に、オフィスはZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)になっている。
 ・電気自動車が広く普及し、交通手段としてだけでなく、エネルギー自給自足型社会の蓄電装置としても機能している。
 ・エネルギー会社の主要業務は、家庭やオフィスのエネルギー管理の支援ビジネスであり、エネルギー生産・流通の主役が家庭やオフィスになっている。
 このような社会への転換に向け、まずは区域内で産出される再生可能な自然エネルギーのみによって、区域内のエネルギー需要のすべてを熱量ベースで賄うことができる区域から取り組みをはじめ、次のステップで、地域ぐるみでのZEHやZEBの普及を通じた取り組みを推進していくことを提案した。あわせて、蓄電・蓄熱技術の開発が重要であることも示した。

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