関西におけるエネルギー自治の可能性
全文紹介

2012/07 (2012 Vol.3)
研究開発第2部(大阪)  主任研究員 永井 克治

 今回の震災によって、震災前までは電源の中心に据えていた原子力発電の稼動そのものを見直さなくてはならなくなったこと、従来のように大規模集中電源を中心にすると震災のような非常時に大きな混乱を招くこと、の2つのことが明らかになった。このことを踏まえ、原子力発電に替わる大規模集中電源を早急に検討すること、大規模集中電源から小規模分散電源に重点を移行し非常時には地域内で自給できるようにすること、また、それらをつなぐハード・ソフトのエネルギーインフラを整備すること、の3つが重要であると考え、これらの重要事項について、関西の状況を踏まえ、関西におけるエネルギー自治の可能性を検討した。
 関西は、もともと電力供給の半分程度を依存していた原子力発電に替わる大規模集中電源として、LNG火力発電所の整備を検討していると同時に、各地域においては、自家発電とともに再生可能エネルギーを中心した小規模分散電源の整備が進められている。また、小規模分散電源において平常時と災害時の切り替えができるインフラ整備や法的整備を促進する特区構想の動きがあるとともに、ネガワットのように節電自体を市場メカニズムに組み込む動きも見られ始めている。これらの取り組みについては、法制度、コスト、技術開発、消費者の理解等、今後解決すべき問題が残されている。今後、それらの課題をクリアしつつ、関西広域連合等の広域的な機関によって関西のあるべきエネルギー自治の将来像を描き、それらを共有したうえで、市民や事業者が一体となって推進していくことが望ましいと考えられる。

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