民主党外交と政治主導の失敗
全文紹介

2013/01 (2013 Vol.1)
神奈川大学 法学部 准教授 佐橋 亮

民主党外交は冒頭から、鳩山政権による普天間飛行場移設問題の迷走によって日 米関係を揺さぶり、政権担当能力に対する不信を抱えこんだ。さらに、政権基盤の 弱さもあって周辺国から日本の領土に対する挑戦が相次ぐが、とりわけ「尖閣」に 関する2010年、2012年の対応は危機管理の失敗だった。日中関係は1972年 の日中共同声明以来の基盤を失い、今日、極めて脆弱な状態に置かれている。

そもそも外交、防衛政策における革新を期待して、有権者が政権交代を望んだと は言えない。しかし衆院選での地滑り的な勝利を受け、民主党政権は内政・外交の 諸課題に対して、政策転換のコストの高さを軽視しても「刷新性」を追い求め、ま た「政治主導」に固執した。

本稿は同時代史としての制約を十分に理解したうえで、4つの事例研究を通じて民主党外交を検証する。ま ず普天飛行場移設問題、「東アジア共同体」構想を取り上げ、政権交代直後における外交プロセスの問題点を検 証していく。そのうえで、民主党政権における外交、防衛政策の成果とも評価できる諸点、また「尖閣」事案 における民主党の対応の問題点について触れたい。結論において、これら民主党外交の教訓として適切な政治 主導のあり方を考え、また新政権に期待される日米関係、日中関係、アジア政策の方向性を論じる。

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