税と社会保障の一体改革は実現するか
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2013/01 (2013 Vol.1)
経済・社会政策部 主任研究員 山本 将利

消費税の税率を現行の5%で維持するとして、政権交代を果たした民主党ではあ ったが、2012年には消費税税率の引き上げ法案を成立させてしまった。 消費税税率引き上げは唐突に行われた印象があるが、子ども手当をはじめとした マニフェストの政策実現には財源不足であることが原因であるとみることができ る。

たとえば、民主党が掲げた「子ども手当」は社会保障の制度改革としては、斬新 なものであったが、財源不足と参議院議員選挙後のねじれ現象のために実質的に2 年余りしか続かなかった。

社会保障と税の一体改革とは、社会保障について充実や安定化を図ること、財政 健全化へ向けた安定財源確保のために税制を改革することであった。しかしながら、消費税の税率引き上げに 象徴される「税の改革」が先行し、「社会保障改革」は法案提出が先送りされ、改革・充実には至らなかった。

2012年12月の衆議院議員選挙の結果により、民主党政権から自民党政権へ再び政権交代が行われた。ま た、インフレターゲット政策と消費税税率引き上げによる物価上昇が起こったとしても、賃金デフレが解消さ れない限り、消費の抑制が起こり、再びデフレ方向へ向かい、消費税の税収は減少し、社会保障の財源として 考えられていた税収が十分でなくなると想定される。

すなわち、消費税税率引き上げ等の税制改革は実行されるが、社会保障の充実・改革は先送りされることが 想定される。

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