日本版「生物多様性民間参画」のあり方
全文紹介

2014/02 (2014 Vol.1)
環境・エネルギー部 主任研究員
矢野 雅人

生物多様性の保全と持続可能な利用を今後日本で進めていくうえで、民間企業の重要性はますます高まるだろう。民間企業が生物多様性に依存し、影響を与えている以上、この問題に無関心でいるわけにはいかない。積極的な貢献が求められるのは当然である。しかし、民間企業の重要性が増す理由はこれだけではない。日本の企業は技術、資金、そして意識の点で高いポテンシャルを備えているのである。日本における「生物多様性民間参画」のあり方について議論する際、われわれは最初にこうしたポテンシャルを認識しなければならない。そのうえで、民間企業に主体的な行動を促す仕組みとは何かを検討する必要がある。

検討にあたって注意を払うべきは、国際的な取り組みの動向と国内の取り組みの実態である。国際的には生物多様性を定量化する試みが進んでいるし、日本では企業の取り組みが拡大している一方で、いくつかの課題が認められる。こうした事実を拾い上げて分析し、検討に反映させることが重要である。また、生物多様性という概念は分かりにくいが、それがすなわち生物多様性の本質でもあるということも忘れてはならないだろう。

本稿では、こうした情報を整理したうえで、生物多様性民間参画のあるべき方向性について検討を行った。そして、日本版「生物多様性民間参画」のあり方として、「生物多様性本位の地域-企業連携」の重要性を指摘した。この考え方は決して画期的なものではなく、すでに一部企業は先行的に取り組みを始めている。今後何より求められるのは、こうした芽を見逃さず広く拡大展開していく姿勢である。

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