日本の遺伝資源の保存とその課題
全文紹介

2014/02 (2014 Vol.1)
環境・エネルギー部 主任研究員
森口 洋充

遺伝資源とは、利用価値のある生物由来物を指すが、農業や医薬品、食品、化学等、さまざまな産業の基盤として、古くから利用されてきた。これは、日本でも例外ではなく、各分野において積極的に遺伝資源の収集、保存、利用が行われている。

遺伝資源は、従来は人類共通の財産であるという考え方が中心であったが、1993年の生物多様性条約発効以降は、その遺伝資源を有する国家の主権的権利が及ぶものであると認識されるようになってきた。2010年には、日本が議長国となったCOP10において、名古屋議定書が採択され、現在、日本もその批准に向けて準備を進めているところである。名古屋議定書は、遺伝資源を利用した場合の利益配分等について実効性を持たせるものであり、本議定書が発効することにより、遺伝資源の取得や利用等が大きく変わることが予想されている。

そのような状況のもと、わが国の遺伝資源の保存や利用について、農業分野、微生物、学術分野、海洋遺伝資源等を例に挙げて、特に域外保存(当該遺伝資源の生息地以外での保存)について、その現状と課題について簡単にレビューすることとする。

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